デンマークの保育活動
出典: Jinkawiki
デンマークでは夫婦は妊娠を確認したころ、子どもの施設保育を視野に入れて産休の計画をたて、産後の職場復帰の時期を決める。デンマークでは出産は人生の大事な出来事ではあるが退職の原因にはならない。デンマークの夫婦は妻の妊娠中または子どもの誕生後間もなく、自治体の保育課に乳児保育の席を申し込む。乳児たちは母親または父親のもとで6カ月から1歳まで過ごし、その後、乳児保育が始まる。現在デンマークの子どもの成長家庭を取り巻く施設は、0歳から2歳までの乳児保育、3歳から5歳までの幼児保育、学童児3年生までの学童保育、4年生から中学生の青少年クラブと成長期に合わせて施設が完備されており、全て自治体によって運営されている。であるから日中子どもの面倒を見る必要がないので女性も安心して仕事を続ける事が出来る。 デンマークでは他のヨーロッパ諸国とは異なり、幼児保育の行政的な管轄は社会省で行われている。日本の場合、管轄省庁の違いで「幼稚園」および「保育園」が存在するが、デンマークの幼児保育では「子どもの庭」と呼び行政的な呼び方はない。デンマークの2~6歳の子どものほとんどは、一日平均7,2時間を保育園でほかの子供と過ごす。保育にあたるのは三年半の教育を受けた保育士でデンマークではペダゴーとよばれている。しかし日常生活では職種で呼ぶことはなくペダゴーは大人、園児は子どもという名称で分けられる。子どもたちが日常をどのように過ごすのか、保育施設の保育の目的はなんなのか。保育士はどのように子どもに関わっていき国の保育施策に準じているのかということが常に念頭に置かれている。 国としては現場である程度最低限しなければならないことを枠として法律化し、各自治体ごとの住民のタイプやニーズに合わせた自治体独自の保育を行い、国の定めた枠を埋めていくというのがデンマークの保育スタイルとなっている。そしてもっとも基本的で統一的な保育目標は遊びや経験を通して子どもの個人的な発達を促し、それによって自尊心や自己決定力を養うことである。
参考文献 デンマークの子育て・人育ち 澤渡夏代ブラント 著 HM