デンマークの幸福度
出典: Jinkawiki
「World Values Survey」と称される幸福度の調査は、世界52カ国の35万人を対象に「いま自分が幸せか」「自分の最近の生活にどの程度満足しているか」という2つの質問を行ったものである。このほか、さまざまな要因から「幸福度」を判定している。 デンマークは、この幸福度調査でほぼ毎年もっとも高い位置を占めている。
デンマークが、幸福度1位選ばれる理由としては、
① 医療、生活水準、及び基礎教育を受ける機会に関連した経済的要因
② 世界最高水準の国民1人当たり国内総生産(GDP)
③ 高い教育レベル
④ 生き方の選択の自由、男女平等の推進、そしてマイノリティー(少数派)に対する寛容さ
などが挙げられる。
デンマークの消費税は25パーセントである。これは、アイスランドの25.5パーセントに次ぐ世界第2位である。日本の5パーセントから考えると、いかにこの数字が多いかは一目瞭然である。しかし、デンマークの人々はこの高額な消費税に対して文句は言わない。払った税金を取り戻す、というような考え方はデンマーク人には無いのである。この高額な消費税のおかげで、医療費無料、大学までの教育費負担、など国民に対する手厚い社会保障サービスや福祉政策を提供しているのである。
デンマークの子供達は、5~6才で国民学校(日本の小中学校を一つにした学校)に付属する幼稚園クラスに入園する。義務教育ではないが、遊びやその他の活動を通して、子供達の心身の発達を促進しさらに子供達が学校での共同生活に慣れることを目的にしており、勉強は一切行われていない。義務教育は7才~15才までの9年間だが、希望により10年間通うことができる。進路はたくさんの選択肢があり、3年制の高校にそのまま進学するのは全体の50%くらいである。そのほかの子供達は、2年制の高等準備学校、80以上の業種を網羅する職業専門学校(農業教育もその一つ)、海外に一年間留学するなどである。子供自身の選択で、すぐに高校には行かず、今までと違った環境に身を置き、将来やりたい仕事に必要な教育を受けられるところへ行き、社会に出て即役に立つ知識や技術を身につける。また、中学・高校生のときから実によくアルバイトをする。精神的にも経済的にも親から自立して、自分に適した道が何かを早くから模索する子供達が多い。大学へ進む人は20%と少ないのが現状ですが、学歴が高いから裕福な生活が送れるとは限らないので、誰もが大学へ行こうとはしない。自由な生き方の選択、そしてそれに合わせた高い教育を受けることが可能なのである。
デンマークの国会議員の三分の一は女性である。女性の85%が仕事をもっており、どこの家庭も夫婦共働きである。産休や育児休暇も充実しており、労働時間は週37時間、有給休暇は年5週間、年金は67才から支給される。結婚によってそれまでの仕事を辞める女性は少ない。男女平等の社会がしっかり成り立っている。
参考文献
http://www.narinari.com/Nd/2008079755.html
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080828/169050/?rt=nocnt