デンマークの教育4
出典: Jinkawiki
'≪デンマークの教育≫' デンマークの教育は、義務教育の国民学校(通常10年間、卒業時の学力により11年間)、普通高校(ギムナシウム)又は専門学校(共に3年間)、大学(学士号は3年間、修士号は2年間)などからなっています。義務教育といっても日本のように親が学校に通わせる義務はなく、自分の子供にどのような教育を受けさせるかは親が決めることができます(ただし、家で教育を受けさせる場合、市の指定する教育専門官が国民学校修了相当時点での学力を審査します)。公立の学校であれば、小学校から大学院に至るまで授業料は無料です。
'≪デンマークの子育て・人育ち 統一された保育基本方針≫' デンマーク王室第二王子余亜紀無殿下夫妻の二人のちびっこプリンスも、一般市民の子どもたちも、みんな保育園育ちです。デンマークの夫婦またはカップルは、女性が職を持つことを「あたりまえ」と考え、したがって子どもたちが施設で保育されることもまた「あたりまえ」なのです。ロスキレ大学内にある男女平等研究室のカーレン・シューロプ所長は、デンマークの進んだ男女参画社会の大きな要因として、「信頼できる保育制度」が確立せれていることを挙げています。 デンマークの幼児保育では伝統的に、読み書きなどの教育も、集団で踊りを覚えるようなこともなく、家族に代わって家庭での子育てのように保育をする場所とされてきました。デンマークの保育基本目的を「絆」政策といい、この「絆」政策こそデンマークの地方分権制度における大きな「みそ」なのです。国は、法律として政策目的を作り、現場で最低限、施行すべき点を「絆」として発令し、その「絆」をどのように埋めていくのか、このことから多くの自治体では、国の保育施策と同時に、自治体独自の保育目的を持っているのが一般的です。さらに、この国の基本的保育目的の中でデンマークが最も大事のいしていることは、遊びや経験を通して子どもの「個人的な発達」を促し、それによって自尊心や自己決定の力を養うことにあります。
'≪職業観の芽生え≫' 日本の中学生の生徒は、その後の進路として高等学校に進学するのが一般的で、悩みはどこの高等学校に入るかにつきます。それはそれで大きな課題ですが、デンマークの生徒は、同じ時期に自分は将来どのような職業につき、どういう人生を送りたいのか、違った意味では難しい選択をしなくてはなりません。デンマークの場合、社会は多種多様職業で構成され、それを支える「人材」は、それぞれ「かけがえのないデンマークの資源」と考えられています。そして教育は、将来彼らが何らかの労働市場の担い手となることを前提としているので、教育を受ける意味がより現実的で、生徒一人ひとりの人生の目標も明確になります。
参考文献
・「デンマークの子育て・人育ち」 澤渡夏代ブラント著 大月書店
・外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/denmark.html