デンマークの社会福祉
出典: Jinkawiki
デンマークの社会福祉は、4つの手厚い福祉サービスを効率よく供給している。まずひとつめは「徹底した分権 」である。どのような福祉サービスを供給するかは利用者に一番近いところで決定される。つまり、利用者にとってどのようなサービスがどれくらい必要であるかは利用者に一番近いスタッフによって決定される。高齢者の介護・障碍者の在宅介護は国や県ではなく市町村の議会によって責任を持つことになる。住民の生活にもっとも身近で、住民からの戦況によるコントロールが行き届く市議会の存在が重視されている。ふたつめは「税方式」である。税方式によって、「保険料を払っていないから医療や年金、介護を受けられない」ということがなくなり、また、徴収のコストも最小限に抑えることが可能になる。税金の負担は所得税の税率が約50%、消費税の税率が25%と重いが、医療や介護はもちろん、年金も教育費も自己負担がなく、奨学金も充実している。失業時のケアも行き届いていて、また、教育への支援によって若い世代からの理解も得ている。三つ目は「普遍的制度」である。何よりも一人一人の個人の人権が尊重される。個人の尊厳や自由を持ち、自らの生活の質を向上させる権利を持つ。そのため、デンマークでは原因によらず状況に応じて福祉サービスを受けられる「普遍的」な制度となっている。病気や怪我、出産などで身体機能が低下し、福祉サービスが必要なら必要に応じてサービスが受けられるという、柔軟な運営がされている。最後に、「国民総背番号制」である。個人番号が記載されたICカードに福祉サービスの給付情報が蓄積される。給与の支払いや金融取引などでもこの個人番号は必須となってくる。個人の所得の情報はしっかりと把握されるので、脱税もしにくい。もちろんのことではあるが、個人情報の保護には万全の体制がとられている。