デンマーク体操
出典: Jinkawiki
デンマーク体操は、ドイツ体操、スウェーデン体操に並ぶ世界三大体操の1つ。
強靭性、柔軟性、巧緻性を高め、健康な身体、体力作りを目的としている。筋肉の弱さを補強したり、硬化した筋肉や関節の可動を滑らかにしたり、錆び付いた神経伝達機能を回復させたりする効果がある。デンマーク体操には3つの体操の柱がある。
・基本体操
からだの硬化・筋力不足・不器用の3大欠点を改善するための体操
・ジャズ体操
アフタービートのリズムに乗せて、身体各部を自由に動かすことによって躍動感を楽しむ体操
・手具体操
手具をからだの一部として利用することによって可動範囲を広げ、動きの効果を高めるのに役立つ体操
デンマーク体操はリングの師でもあったフランツ・ナハテガルによってドイツ体操を元に1780年に創始された。次いでニイルス・ブックがスウェーデンの体操の精神を受け継ぎながらも、矯正的な運動の重要性を説き、 新しい解釈を加えてそれまでの体操を改革して広めた。特に、振動形式の動作を多く取り入れ、運動の流れをリズミカルにした。日本に輸入されて、玉川体操、海軍体操として普及し、 現在広く日本人に親しまれるラジオ体操が創られた時、このリズミカルなデンマーク体操は大きな影響を与え、元となった。
経緯
日本に輸入される経緯としては、1929年(昭和4年)に、少年時代から健康に恵まれなかった玉川学園の創立者小原國芳氏が、東京・町田市に知育、徳育、体育を統合した理想の教育を目指して学園を開校し、本当の体操を探していたことがあげられる。 小原氏は、三橋喜久雄氏から、「体操は、デンマークのニルス・ブックですよ。」と聞かされたことで、玉川学園の齋藤由理男氏を1929年(昭和4年)から1年間オレロップ国民高等体操学校に留学させた。 同氏が帰国してその報告を聞いた小原氏は、学園の子供たちに「世界一の体操」を与えたいと考え、夫婦でデンマークに赴きオレロップ国民高等体操学校を見学。 その素晴らしさに感動して、ニルス・ブックを日本に招聘することを決意した。 ニルス・ブックは、1931年(昭和6年)9月11日神田YMCAの訪問、12日東京・日比谷公園での実演公開を振り出しに、13日玉川学園、14日成城学園を始めとして全国主要都市40数か所を訪問し実演と講演会を開き、10月12日の自由学園を最後に、10月15日横浜港出帆の郵船氷川丸で、米国経由で帰国したとのことである。