トウモロコシ2
出典: Jinkawiki
トウモロコシはイネ科の雌雄同株の作物である。主な呼び方には、Corn(コーン:米)、Maize(メーズ:英、米)、玉蜀黍(トウモロコシ:日本)、玉蜀黍または玉米(ユイシューシューまたはユイミー:中国)、Kukuruza(ククルーザ:ロシア)、Mais(マイス:独、仏)、Maiz(マイツ:スペイン、ポルトガル)、Dhurah shamiyah(ズゥラ・シャーミア:アラビア)、Korn(コーン:オランダ、ノルウェー)などがある。
【用途】食料としての利用
・中米での利用 粗挽きかゆにするほか、トルティーヤのように粉を練ったものを煎餅状あるいは塊状にして焼く食べ方が広く行われた。このほかに、トウモロコシ粉はかゆ、蒸しパン、茹で粒、炒り粒、ケーキなどに調理された。さらにトウモロコシ粉にトウガラシと塩を混ぜたパルパもつくられた。
・インカでの利用 ペルー、ボリビア、チリなどのインカ文明圏では、粒状のまま煮た粒がゆにして食べるのが一般的で、モテ(茹で粒)とカンチャ(粒煎り)の利用も多かった。トルティーヤは無かったが、タマーレス(蒸しパン)がつくられた。
・北米での利用 中米と同様に、粗挽きかゆにするほか、トルティーヤのようにして焼く食べ方が広く行われた。雌穂をそのまま茹でて食べることも広く用いられた。
【食べ方と主な食品】
・トルティーヤ 小さな薄焼きのパンを意味する。大きさ、厚さは地方によって異なり、直径数㎝のものから30㎝に近い大きさのものまである。パンのようにちぎって食べられるが、普通はトウガラシや塩で味付けしたりスープに浸して食べる。
・タコス 軽食を意味する。トルティーヤをお皿代わりにして、その上に肉や野菜その他の様々なものを乗せ、巻いて食べる。
・タマーレス マサ(練粉)をトウモロコシの皮や植物の葉の上に広げ、その上にマメやカボチャの種子のような具を乗せ、それから皮や葉ごとマサをたたんで小さな包みをつくり、蒸したり焼いてつくる。
・ピーキー トルティーヤにごく近い作り方で、石で焼き、葉巻のように巻いたごく薄いパリパリしたトウモロコシパン。トウモロコシのビスケットといわれる。
・ビスコチュエロ トウモロコシの粉に蜂蜜などをまぜてつくった堅パン。
・ガレット 粒をすり潰して粉にし、石炭水で溶いてこね、焼いたもの。パンケーキの一種。
・エツァリ トウモロコシと豆の入った煮物のかゆ。
・モテ(茹で粒) モーテともいう。穂軸ごとあるいは外した粒を、粒が割れるまで熱湯で茹でたもの。
・ポップコーン 器に入れた砂を焼けるように熱し、その砂にトウモロコシを混ぜ、さらに加熱し、はじけさせて出来上がる。
【種類】
・スイートコーン(甘味種) 一般的に食用として用いられ、「とうもろこし」と呼ばれる。甘さとみずみずしさ、皮の柔らかさから、まるで果物のように食べられるとうもろこしとして注目を浴びている。スイートコーンはさらにゴールデンコーン、シルバーコーン、バイカラーコーンの3つの種類に分けられる。
・ポップコーン(爆裂種) 粒の皮が非常に硬いのが特徴。乾燥させることで硬くなるが、他の種類のとうもろこしの粒は乾燥させてもポップコーンほど硬くならない。
・デントコーン(馬歯種) 「コンスターチー」の原料。主に乾燥させて、牛や豚、鳥などの家畜の飼料として利用される種類。成長過程で糖分がデンプンに変わるため、そのまま食べることには向かない。
・フリントコーン(硬粒種) 加工して食用または家畜用飼料や工業用の原料に利用される種類。角状デンプンと呼ばれる硬いデンプンが粒の全体についているのが特徴。メキシコ料理のタコス「トルティーヤ」に使われる。
・ワキシーコーン(もち種) 別名「もちとうもろこし」 粒の中のデンプンにもち性があり、若いうちに収穫して蒸すと、もちもちとした食感があるのが特徴。
・ソフトコーン(軟粒種) 粒の大部分がやわらかいデンプンで形作られていて、実が砕けやすく断面が粉状になるのが特徴。含まれているデンプンのおおくがしなやかで濃度の薄いものであるため、粉に挽きやすい種類。
【ブランドとうもろこし】
〈ゴールデンコーン〉 ・嶽きみ 産地:青森県弘前市 非常に甘く、濃厚な味のとうもろこしで「日本一甘いとうもろこし」ともいわれる。
・甘太郎 産地:長野県新野地区 高原だから出せた甘味と引き締まった実が特徴。
・きみひめ 産地:山梨県甲府市中道地域 強い甘さと粒皮のやわらかさのバランスが良いのが特徴。
〈シルバーコーン〉 ・Dole真珠もろこし 産地:北海道日高、胆振地区 高い品質と味を徹底してあり、18度という高い糖度とクリーミーで濃厚な甘味のある極上のとうもろこし。
〈バイカラーコーン〉 ・あんみつ姫 産地:長野県新野地区 高い標高からうまれる昼夜の寒暖差により、強い甘味のとうもろこし。大粒で柔らかな粒皮で甘味と旨味が長持ちするのが魅力。
(引用参考) 戸澤秀男 『トウモロコシ 歴史・文化、特製・栽培、加工・利用』農山漁村文化協会
トウモロコシノセカイ http://www.toumorokoshi.net/
ハンドル名:ST