ナスカの地上絵
出典: Jinkawiki
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ナスカの地上絵
概要
ナスカの地上絵(ナスカのちじょうえ)は、ペルーのナスカ川とインヘニヨ川に囲まれた乾燥した盆地状の高原の地表面に「描かれた」幾何学図形、動植物の絵のこと。 紀元前2世紀から6世紀の間に、「描かれた」と考えられている。 1939年6月22日、動植物の地上絵は考古学者のポール・コソック博士により発見される。ドイツの数学者、マリア・ライヒェがこの地に住み着き、彼女を中心として、地上絵の解明作業と、保護が行われるようになった。近年、自動車の侵入による破壊が著しく、消滅の危機にあると言われている。
「描画」の方法
ナスカの地上絵は、このような盆地の暗赤褐色の岩を特定の場所だけ幅1m~2m、深さ20~30cm程度取り除き、深層の酸化していない明るい色の岩石を露出させることによって「描かれて」いる。規模によってはもっと広く深い「線」で構成されている。地上絵の線は最初に線の中心から外側へ暗赤褐色の岩、砂、砂利を積み上げる、それから線の中心部分に少し残った暗赤褐色の砂や砂利も取り除いて明瞭になるようにしたと推察される。 様々な図形を大規模に描き上げた方法としては、十分な大きさの原画を描き上げた上で適当な中心点を取り、そこを起点にして放射状に原画の各点を相似拡大する方法、「拡大法」が採られたという説が提唱されている。成層圏などの超高々度からでなければ見えない物もあるため、上記のような方法で本当に出来るのかと指摘されたこともあるが、地上絵の端にあった杭の存在や、地上絵の縮小図の発見などを考えると拡大説が妥当と考えられている。九州産業大学の諫見泰彦専任講師(建築教育学)は、この方法を用い、小学校の算数の授業(比例・相似)として、児童による画鋲2個と糸1本のみを使ったナスカの地上絵の再現を、グラウンドや体育館で複数回実践。児童60名から100名により、いずれも開始後150分以内で再現に成功し、その教育成果により小柴昌俊科学教育賞を受賞した。 地上絵の性格としては、『マリア・ライヒェなどによる暦法関連説』、『社会事業説』、『雨乞い儀式利用説』などさまざまな目的があると唱えられてきている。
主な地上絵の規模と種類
主な動物を描いた地上絵の規模としては、長さ46mのクモ、96mのハチドリ、55mのサル、65mのシャチ、180mのイグアナ、135mのコンドルが挙げられる。最大のものは、ペリカンかサギ、もしくはフラミンゴを描いたと推測される285mの鳥類の絵である。花や木々、装身具や織物のような日常生活の道具を描いたものや「宇宙飛行士」などと呼ばれているもの、片手が4本指の「手」など不可思議な図柄もある。
世界遺産の登録
1994年12月17日、UNESCOの世界遺産(文化遺産)に登録された。登録名称は『ナスカとフマナ平原の地上絵』(Lines and Geoglyphs of Nasca and Pampas de Jumana)。
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。 ・(i) 人類の創造的天才の傑作を表現するもの。 ・(iii) 現存する、または、消滅した文化的伝統、または、文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠となるもの。 ・(iv) 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例。
所在地:リマから南へ約444kmにあるナスカ高原。
参考
・Wikipedia