ニセ化学

出典: Jinkawiki

目次

概要

ニセ科学とは、一見科学であるが、本当は科学ではないもののことである。 疑似科学、エセ科学とも呼ばれる。 ニセ科学の具体例として、血液型診断、ヒアルロン酸、ゲルマニウム、水素水などが挙げられる。


メディアとニセ科学

ニセ科学は、売り上げや視聴率を求めるマスメディアによってしばしば広められ、特に美容・健康系のニセ科学では家電メーカーが効果を謳い商品を販売する。

具体例

一例として、日本におけるマイナスイオンブームを挙げることができる。 20世紀末ごろ、マイナスイオンが滝の近くなどに存在し、疲労回復に効果があるといわれ始めた。大手メーカーからマイナスイオンを生み出す家電が次々と発売された。しかし、マイナスイオンは定義があいまいなうえ、健康への効果は分かっていないため、科学者の多くがマイナスイオンを「ニセ科学」の一種であると断言している。 ブームの始まりは、一部科学者・研究者による学説である。彼らは説得力に欠ける報告を上げ、その多数はマイナスイオンを用いた装置の開発者であったため、売名のための発言と考えられている。 マスメディアは彼らの発言を大々的に取り上げ、結果世間に「マイナスイオンブーム」を引き起こした。 マスメディアの多くは、科学的な印象をもたらす「イオン」の単語、メディア映えのする滝などにインパクトがあり魅力的なために、十分な科学知識のないままマイナスイオン礼賛の記事、番組を制作した。 マイナスイオンの効果を説明するのに主に用いられた文献「医学領域 空気イオンの理 論と実際」の発売は戦前であり、やはり根拠に欠けるものであった。 テレビでマイナスイオンが取り上げられるとき、批判の立場にある研究者は出演しなかった。 マイナスイオンブームが起こると、科学者が相次いでマイナスイオンの効果に疑問を呈し、不十分な知識、調査でブームをばらまくマスメディアを批判した。マスメディアからの謝罪は見られていない。

ニセ科学との向き合い方

ニセ科学は、時に本当の科学よりも「科学的である」風に見えてしまい、そのことがニセ科学の信奉者が生まれる一因となっている。本来の科学は実際には曖昧な面もある一方、ニセ科学は血液型診断のA,B,O,AB型、イオンのプラスマイナスなど属性ではっきりと分かれている特徴を持ち、「科学らしい」印象を与えやすい。 正しくないニセ科学の情報を消費者に与えるメディアや各メーカーには反省と改善が求められるが、特に健康関連のニセ科学効果を信じている消費者には、思い込み(プラシーボ効果)で変化を感じる者も少なくない。 家電の機能は現在すでに十分といえるほど発展しており頭打ち状態のため、家電メーカーは消費者の目を引く新機能としてエセ科学に関するものを販売・宣伝してしまうことが見受けられるため、消費者は買い物の時にはそれを念頭に置くことが必要とされる。 ニセ科学を見破るには、懐疑主義を貫く、単純・極端な情報は警戒する、情報が発表された場面に注目する、事象が人間にどの条件で当てはまるかを考えるといった心構えが求められる。


参照 http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/nisekagaku_nyumon.html http://www.sciencecomlabo.jp/health_goods/active-hydrogen-water.html https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%96%91%E4%BC%BC%E7%A7%91%E5%AD%A6 「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」光文社 松永和紀


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