ノート:カーボンオフセット
出典: Jinkawiki
カーボンオフセットとは、自分が排出した温室効果ガス(GHG)、たいていの場合は二酸化炭素(CO2)に対して、それを「出さなかったこと」にするのに必要とする費用を負担することをいう。「社会活動・経済活動で排出される温室効果ガスの量を把握」「省エネや環境負荷の少ない方法を選ぶなど排出量削減のための努力の実践」「削減が難しい排出量の把握」「クレジットの購入」などによる排出量の埋め合わせ(オフセット)からなる。
オフセットという考え方の始まりは、1989年にアメリカの電力会社が国内で石炭火力発電所の建設許可を得るために、電力を生産する際のCO2排出量をオフセットするとして、グアテマラの森林保全、造成プロジェクトに着手したことだといわれている。この活動は販売を目的とする産業としての林業ではなく、農民や地域住民が自分たちの生活を安定させたり、福祉を向上させるために自分たちで行う植林で、そこで吸収・固定化されたCO2をオフセットの対象とみなしたのがカーボンオフセットの最初の事例である。残念ながらこのプロジェクトは失敗に終わり、実際の排出量と同僚の吸収量を保障することは非常に難しいことが明らかになった。
似たようなものとして排出権取引が挙げられるが、両者の大きな違いは入手したクレジットをどうするかという点にある。排出権取引は転売など継続した取引が可能だが、カーボンオフセットは償却(国際的約束を守るため、日本の排出量を取り消す)や取消(自らの排出量の相殺)など、転売は行わない。
引用文献:国田かおる『カーボンオフセット―自分の出したCO2に責任を持つしくみ―』工業調査会 2008/6/1