ノーマライゼーション4

出典: Jinkawiki

ノーマライゼーションとは障害のある人を障害のない人と同等に、平等な人として受け入れ、その人の生活条件を可能な限り普通の生活条件と同じになるように努力するという考え方である。端的にいうと、障害のある人たちが、権利として可能な限り、その国、地域のごく普通の一般市民と同じような条件のもとで生活できるようにするということである。 諸外国におけるノーマライゼーションは1960年代のスウェーデンではノーマライゼーションの理念の浸透を図るとともに施設を町の中に作るようにした。ノーマライゼーションの具体的な努力をさらに発展させるために「1982年法」といわれるソーシャルサービス法が制定される。この法律の特徴は、ノーマライゼーションを福祉のあらゆる場面の基礎理念として明記するとともに、労働・医療・教育・建築などの努力が統合化されてノーマライゼーションが実現する事を明確にした。それまであった障害者施設や老人ホームは廃止あるいは改善し、ケア付き住宅をどの地域でも中心部に設営するようにした。 デンマークのバンク・ミケルセンやスウェーデンのベンクト・ニィリエが代表的な論者。ニィリエのノーマライゼーションはアメリカのも影響を及ぼし、ドイツ系アメリカ人の心理学者、ヴォルフ・ヴォルヘンスベルガーが「ノーマライゼーション」という影響力のある本を著す。 日本でノーマライゼーションの言葉が定着するのは1981年の国際障害者年からで、この年の「厚生白書」において、障害者福祉の理念という節でノーマライゼーションの思想という項がある。国レベルでのノーマライゼーションの認識は、ノーマライゼーションを可能とする具体的条件を積極的に努力するのではなく、条件が整えばノーマライゼーションの考え方が受け入れられるというように、消極的な解決にとどまっている。

参考文献:小野顕「新しい福祉施設サービスの実践ーノーマライゼーションを基調としてー」


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成