バウチャー制度2
出典: Jinkawiki
バウチャー制度
バウチャーとはもともとクーポン券や商品引き換え券を意味する英語で、個人を対象とする補助金のことを指す。そこから、バウチャー制度とは私立学校の学費などをクーポンを交付して補助することによって利用者がより自由に学校を選択できるようにする制度のことをいう。経済学者のフリードマンが著した「資本主義と自由」が起源とされている。また現在では、教育に限定されず保育や介護サービスなどの利用においてもバウチャー制度の導入が検討されている。
◆具体的内容
政府が保護者に対して私立学校の授業料に充てることができる一定額の現金引き換え券(バウチャー)を支給することによって、私立学校選択を支援するとともに、公立学校と私立学校の間に競争原理を働かせることが目的である。これにより、公立学校の教育環境を整えていくことも目指す。
教育の選択権が確保できることに加え、学校側も競争によりサービスが向上するといった考え方に基づいたものである。
◆問題点
・教育格差 バウチャーの配布は私立学校のエリート化を加速させ、学校の格差を助長するとも考えられている。また全く逆の意見であるが、バウチャー制度が生徒の学力到達度を改善するためのプログラムとして機能しているかどうかについて信頼できるデータはまだ示されてはいない。
・費用 私立学校にも公的財源を与えるということは、公立学校へ向けられるべき財源の希薄化を招くことにつながってしまう。 また、バウチャーを利用する教育は必然的に教育費を増大させることとなるため、いままで以上の財源の確保が必要となることも懸念された。
・政教分離 バウチャーが宗教系私立学校に使用されることは、政府の宗教介入であるとする見方により批判である。バウチャー制度が実施されているアメリカ・オハイオ州クリーブランド市の場合、生徒一人に対し支給されるバウチャーが少ないことによって、一般の私立学校や郊外の公立学校に通うことができない。そのため、受給者の大半がカトリック系の私立学校に通うという現状である。結果的に宗教団体に対する間接的な公金支出にあたるとも考えられ、これが合衆国憲法修正条項第1条の「国教の樹立」にあたるとした反対意見も挙がっている。
参考文献
マネー事典m-Words http://m-words.jp
CLAIR http://www.clair/or/jp/index.html/
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