バスケットボールの歴史

出典: Jinkawiki

バスケットボールの歴史

 創案者であるジェームズ・ネイスミスという人物は外せません。このネイスミスさんは、一にも二にもまずクリスチャンであり、スポーツのインストラクターであることは二の次でしかありませんでした。しかし、聖職者に就くことを選ばず、若者の心を成長させる手段としてスポーツを用いる方法を見つけ出したいと、常々考えていました。さらに、ネイスミス自身が恐るべきアスリートでした。ネイスミスは神学校での研究を終え、インターナショナルYMCAトレーニングスクールで働こうと思いました。YMCAがクリスチャンの目的のためにスポーツを使っていると聞いていたからです。

 YMCAの体育館で、長い冬の間ずっと器械体操と柔軟体操とタンブリング場かりであることに学生は反発。寒くて湿気のある天候のために屋外でスポーツができず、学生達はうんざりしていました。だが、ある晩、じっくりとその問題を集中的に考え、セミナーでだした案を発展させました。  彼は、『新しいゲームはボールを使ったものにしなくてはならない』と、考えていました。なぜなら、当時のチームスポーツはすべてボールをつかっていたからです。そして、ゲームの難しさはボールのサイズに反比例すると理論だてました。そこで、彼は大きなボール、サッカーボールを選びました。ネイスミスはラグビーやサッカーのような身体接触がないゲームを望んでいました。例えば、タックルの禁止など。これを考えていた彼の頭にうかんだのが、パスという発想でした。次の問題は得点だった。ネイスミスは地上にゴールを置かない方がいいと考えていました。ゴールが近くにあると、阻止しようとするプレイヤーどうしが必要以上に接触し、必要以上にフィジカルなプレイを伴うからだ。彼は雄ガモ落としと呼ばれるゲームを思い出しました。このゲームでは、高い弧を描いて石をなげるのが、最も効果的なテクニックとなっていました。ネイスミスのゲームは三次元に広がり、簡単にショットをブロックできないようにプレイヤーの頭上にゴールが設置されました。実際にゲームをやってみる段階になると、ネイスミスは体育館の用務員のところに行って、18インチ四方の箱を二つたのみましたが、箱はありませんでした。代わりに用務員は用務倉庫に転がっていた古い桃のカゴを二つ使うように勧めました。ネイスミスはカゴを体育館の周りをぐるっと囲むちょうど高さ10フィート 305cmのところにあった手すりにクギで打ち付けました。

 初めてのゲームにはドリブルがなく、ボールは全部パスで動かしました。ネイスミスはプレイする理想的な人数を1チーム9人と考えましたが、許容されるチームの人数は3人からなんと40人まで幅を持たせていいとしました。さっき配付した発案当時に採用された13のルールを見てください。7や9のルールなどは今とかなり違いますが、他は現在とあまり変わりません。ネイスミスはわずか一時間でこれを書き上げたというから驚きです。  バスケットボールは人々にとって斬新なボールゲームでした。そして、ネイスミスが教えた学生の多くがゲームを学んだ後もまもなく、クリスマスと信念の休暇で帰省したり、他の場所でゲームのことを伝えたこともあって、多くの人々にすぐに広まり、受け入れられていきました。テレビやラジオのなかった時代に新しいゲームはわずか数ヶ月という驚異的なスピードで全米中に普及していきました。また、ネイスミスは、この自分が作り出したゲームを最初に行ったプレイヤー、つまり屋内スポーツよりもサッカーやラグビーを好んだ者の間に広く認められることを好みませんでした。彼らは、フィジカルにプレイする習慣があるので、そんなことや腕力を使ったプレイを制限したり、さらには排除したゲームを頭に描いていたからです。「男らしく紳士的にプレイされることを奨励し、強引に腕力を使うことよりも、頭脳をもちいたプレイのほうが勝ることを示すのが我々の役目だ」と、彼は書いています。  しかしながら、初期のころのゲームは実に粗暴なものでした。これは一部にはルールが十分に考えられておられず、プレイヤーのほとんどはラグビーなどの体のぶつかり合いのあるスポーツ出身者が多かったことによるものでしょう。この後、プロバスケットボールNBAが発足しました。粗暴だったこのゲームは主にNBAによりどんどんルールが改正され、現在にいたっています。

発案当時に採用された13のルール

 1.ボールは片手または両手でどの方向にパスしてもよい。  2.ボールは片手または両手でどの方向にたたいてもよい(ただし、こぶしは禁止)  3.プレイヤーはボールを持って走ってはいけない。ボールは捕球した場所にパスしなければならない。そのプレイヤーが直ちに止まることを条件に、走っているプレイヤーにボールをパスすることは認められる。  4.ボールは手で持たなければならない。腕の間や体で挟んで持ってはいけない。  5.相手のプレイヤーをショルダリング(タックルする)、ホールディング(つかむ、抱きつく)、プッシング(押す)、トリッピング(つまずかせる)、ストライキング(たたく、殴る)することは禁止。1回目の違反はファウルになり、2回目で次のゴールが決まるまで退場、または故意に相手をケガさせようとしたのが、明らかな場合だとゲーム終了まで退場となり、交代のプレイヤーは認められない。  6.こぶしでボールをたたいた場合、ルール3と4の違反の場合、ルール5に説明されることに違反した場合、ファウルとなる。  7.どちらかのチームが連続で3つファウルをした場合、相手の1ゴールとなる(連続とは、相手がその間にファウルを犯していないという意味)。  8.地上から投げられるかシュートされたボールがバスケットに入るとゴールとなる。ただし、ゴールを守る側はゴールに触れたり、ゴールを邪魔してはいけない。ボールがゴールの端に載っていて、相手がバスケットを動かすと、ゴールに数えられる。  9.ボールがアウト・オブ・バウンズになった時は、敵味方問わずにいち早くボールを追いかけて、触れたプレイヤーにボールをコートに投げ入れる権利が与えられる。だれが最初に触れたかが、わからない場合は、アンパイア(主審)がまっすぐコートに投げ入れる。ボールは5秒以内に投げ入れなければならない。もしそれ以上、時間をかけた場合は、相手のボールになる。どちらかがいつまでもゲームを遅延させていると、アンパイアがファウルを取る。 10・アンパイアはプレイヤーの動きをジャッジし、ファウルを記録し、3連続ファウルになったらレフェリーに知らせる。アンパイアはルール5に従って、プレイヤーを失格にする権限を持つ。 11.アンパイアはプレイヤーの動きをジャッジし、ボールがイン・プレイ、イン・バウンズになっているとき、どちらのボールかを判断し、競技時間を記録する。また、レフェリーが通常行うほかの仕事とともに、ゴールが決まったかどうかを判定し、ゴール数の記録もつける。 12.ゲーム時間は途中5分間の休憩をはさむ各15分の前後半で行われる。 13.ゲーム時間内に多くのゴールを決めたほうが勝者となる。引き分けの場合、キャプテンの合意で、どちらかのゴールが決まるまで続けることができる。


参考資料http://tokkun.net/column/co-004.htm


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