バハーイー教
出典: Jinkawiki
概要
19世紀半ばに、イランでバハー・ウッラーが創始した一神教である。信仰者の数は、約600万人である。バハーイー教はイランで生まれたが、イランでは初期から布教が禁止されていた。バハー・ウッラーと信者は、イランからイラク、トルコを経て当時オスマン帝国の牢獄の町であった「アッカ」(現在のイスラエル領)へと追放され、投獄生活の後放免され一生を終えた。そのため今日では、イスラエルのハイファにあるカルメル山に本部をもつ。バハーイー教の象徴は、九芒星である。
特徴
抑圧を受けても、バハー・ウッラーは、あらゆる信仰を尊重せよと説いた。彼は、「神の宗教は愛と統一である。敵対と不和を引き起こしてはならない」と述べた。人間は、みずからの限られた思考で神の無限の性質を理解することはできない。その代わり、神の使者たち、つまり世界の偉大な宗教の創始者たちを通して神を知ることができる。すべては神の顕現であり、神の意志を人間に理解させようとするための手段なのである。人間は、子どもが複雑な考えを次第に理解できるようになっていくよう成長していく。神の使者があらわれるたびに、人間の成長の度合いに応じて、メッセージがあたえられる。バハー・ウッラーは、彼にあたえられた啓示はもっとも進んだもので、今の時代にもっともふさわしいものである主張した。彼の啓示には、初期の啓示宗教と同じように、みずからは絶対的に正しいというメッセージが含まれているが、そこには人類がようやく理解することができるようになったという新しいメッセージが加わっていた。バハーイー教は、自覚的に世界へ布教していこうとしている。バハーイー教徒が考えるみずからの信仰の新しさとは、「すべての人間は1つであること、すべての宗教の起源は1つであること、すべての預言者は1つであること」という考え方である。この考え方を実践することによって、人間ははじめて世界平和や普遍的な社会主義、調和のある秩序だった社会のために、1つにまとまる機会を得たと彼らは考えている。後継者を周到に選び、中央組織を整え、積極的な改宗活動を行うことで、バハーイー教は世界中に広まり500万人の信者を抱える宗教へと成長した。バハーイー教の文化的多様性を背景として、彼らは異なる文化をもつ人間同士が調和し、協力しあう「新しい世界秩序」のためのモデルをみずから提供していこうとしている。
参考文献
21世紀の宗教(2005) 蓮池隆広訳 春秋社
H.N くまぺでぃあ