バブル経済
出典: Jinkawiki
バブル経済とは、簡単に言うと「実態の伴わない高騰した経済」のことで、不動産や株式をはじめとした資産の価格が、投機によって相応な価格以上に上昇し、その上昇が魅力となってさらなる投機を呼ぶという循環が起こっている状態の経済のことをいう。日本では1980年代から始まり1990年代に崩壊し、日本経済に大きな打撃を与えた。バブル経済は、実体経済の経済成長以上に資産価格が上昇した状態であり、本来は維持できるものではない。呼び込まれた投機によって成り立つ経済活動である為、その高騰熱とも言えるものが冷めると急激に下落してしまう。通常、バブル経済においては、資産価格の上昇を背景にして、活発な投資・消費が行われ実体経済も実際に活性化する。しかし、活性化された実体は、価格の異常な上昇幅ほど大きくはない為、結果的に泡が弾けたように空洞部分が崩壊してしまうと、経済は一転して不況・不景気に陥ってしまうのだ。バブル経済が実体経済へ好影響を与えていたのと同じように、バブル崩壊は実体経済に大きな打撃を与えることになってしまうのである。
バブル崩壊による金融システムの不安定化
バブル経済の時期に、銀行をはじめとする金融機関は、不動産の取引や開発資金などの融資をしていた。ところが、バブル崩壊によって、融資していた巨額な資金を回収できなくなってしまい、銀行は多額の不良債権を抱えることになってしまったのである。経営破綻に陥る銀行があり、銀行が貸し出しに慎重になったために資金不足で倒産まで追い込まれた企業もあった。企業の生産・投資・消費が振るわなくなり、デフレスパイラルという現象も見られるようになってしまった。バブル崩壊によって、このような金融システムの不安定化がみられるようになってしまったのだ。
参考文献:新編 新しい社会 公民 東京書籍