バレンタインデー
出典: Jinkawiki
バレンタイン・デーは、英語では「Saint Valentine’s Day」、訳せば「聖バレンタインの日」という意味である。つまり、バレンタインというのは、人の名前だったのである。
●バレンタイン
西暦3世紀のローマのことである。皇帝クラウディウス二世(在位268-270)は、若者たちがなかなか戦争に出たがらないので、手を焼いていた。その理由として、彼らが、「自分の家族や愛する者たちを去りたくないからだ。」と確信するようになったクラウディウスは、ついに結婚を禁止してしまった。 ところが、インテラムナ(イタリア中部にある町で、現在のテラモ)のキリスト教司祭であるバレンチノ(英語読みではバレンタイン)は、かわいそうな兵士たちをみかねて、内緒で結婚をさせていました。それが皇帝の知るところとなったから一大事であるのに。 何故ならば、当時のローマでは、キリスト教が迫害されていたのである。皇帝は、バレンチノに罪を認めさせてローマの宗教に改宗させようとしたが、バレンチノはそれを拒否した。そこで、投獄され、ついには西暦270年2月14日に、処刑されてしまったのである。(269年という説もある。)
●バレンタインデーはいつ始まったのか
ローマではルペルクスという豊穣(ほうじょう)の神のためにルペルカーリアという祭が何百年もの間実施されていた。 毎年2月14日の夕方になると、若い未婚女性たちの名前が書かれた紙が入れ物に入れられ、祭が始まる翌15日には男性たちがその紙を引いて、あたった娘と祭の間、時には1年間も付き合いをするというものである。翌年になると、また同じようにくじ引きをする。 496年になって、若者たちの風紀の乱れを憂えた当時の教皇ゲラシウス一世は、ルペルカーリア祭を禁じた。代わりに、違った方法のくじ引きを始めたのである。それは、女性の代わりに聖人の名前を引かせ、1年間の間その聖人の人生にならった生き方をするように励ますものであった。 そして、200年ほど前のちょうどこのお祭りの頃に殉教していた聖バレンチノを、新しい行事の守護聖人としたのである。 次第に、この日に恋人たちが贈り物やカードを交換するようになっていったため、2月14日はバレンタインデーと呼ばれるようになったのである。
●なぜチョコをあげるようになったのか
そもそも、女性が男性にチョコレートを贈るのは、日本独自の習慣である。欧米では、恋人や友達、家族などがお互いにカードや花束、お菓子などを贈るのがバレンタインデーの習慣となっている。 では、チョコレートはどこから出てきたかというと、1958年に東京都内のデパートで開かれたバレンタイン・セールで、チョコレート業者が行ったキャンペーンが始まりだと考えられている。そして、いつの間にか今ではチョコレートといえばバレンタイン・デーの象徴のようになっていったのである。クリスマスもそうであるが、キリスト教になじみの薄い日本では本来の意味が忘れられて、セールスに利用されがちというのが日本のバレンタインデーの認識である。
自分の命を犠牲にしてまで神の愛を伝え、実践したバレンチノ、彼がバレンタインデーの由来であり、元はローマの ルペルクスという神のためのルペルカーリアという祭だったのである。