ヒートアイランド現象
出典: Jinkawiki
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ヒートアイランド現象とは?
人口排熱の増加・人が都市に覆いかぶさるように増えること・自然空間の喪失という都市での人工化の過剰な進展から生じる熱大気汚染であり、健康や環境にさまざまな影響を与える環境問題である。 また、都市化に伴う人口排熱の増加・舗装や建築物の敷設等によって地表面をアスファルトなどで覆ってしまうことにより都市部の地表面の熱の出入り(収支)が変化し、都市の気温が郊外に比べて高くなる現象である。
ヒートアイランド現象の原因
ヒートアイランドの主な原因としては、①都市において緑地・水面等の喪失によって、水分の蒸発散が減少し、気加熱による地表面の冷却が進まなくなる ②熱を多く含むことのできるアスファルトやコンクリートが昼間に太陽光を蓄えて、夜間に熱を放出する ③ビル等の人工の構造物の増加・集中によって風の流れが妨げられ冷却作用を阻害する。 ④都市の人工の集中により各種のエネルギーの使用量が増え、排出量が増加する。 以上の他のも様々な要素がヒートアイランド現象には関連している。
ヒートアイランド現象の影響
・都市部での桜の開時期の変化 ・都内において夏季の高温 ・熱中症者の増加 ・エネルギー消費の増大 ・熱帯夜の増加 ・生態系の亜熱帯化 ・高温化による大気汚染物質の増加 :エネルギー消費の増大については、冷房用エネルギー消費の増加に伴う二酸化酸素排出量の増加の問題が挙げられる。 :熱帯夜の増加について「東京都・大手町の熱帯夜日数の推移(出典:図解・何がおかしい!東京異常気象、2006)」によれば東京都大手町の熱帯夜日数が100前は5日だったのに対して、近年ではその6~8倍の30~40日に増えているという調査結果がえられている。 :生態系の亜熱帯化について、年々東京の気温が上昇して、亜熱帯気候だと言われている。その現象の一つとしてヒトスジシマカの北上が挙げられる。これはヒトスジシマカが東京の高温化により冬越えができるようになり東北地方に定着しつつあるからである。 :高温化による大気汚染物質の増加について、東京では光化学スモックの発生件数が近年増加してきている。 また大阪府の調査「日最高気温と光化学スモッグ予報発令確率(出典:図解・何がおかしい!東京異常気象、2006)」では気温が上がるほど発令確率が高くなるという調査結果が得られている。
ヒートアイランド現象の対策
・人口排熱量の削減 :設備の省エネルギー(空調システムなどの効率化・適切な運転) :建物の改良(断熱材の使用) :自然・未利用エネルギーの利用(太陽熱・自然通風の利用) :地域対策(自転車の活用等による都市交通量の低減)
・地表面被覆(アスファルトなどによる)の改善 :緑化(建物緑化「屋上緑化、壁面緑化」) :舗装材改善(保水性・透水性の改善) :建物の壁面等の改善(建物表面の反射率向上) :水面の確保(河川の開きょ「地上部に造られて蓋掛けなどがされていない状態の水路、その主なものに河川などの水を排出して洪水を防ぐために造られる放水路などがある」化)
・都市形態等の改善 :風の道・水の道の積極的利用(建物配置等の改善) :エコエネルギー都市の実現(熱輸送ネットワークの構築) :循環型都市の形成(エネルギーの有効利用、物質のリサイクル・有効利用を総合的に実現した循環型都市の形成)
[参考・引用文献] ・http://www.env.go.jp/air/report/h14-01/02-1.pdf ・http://www.env.go.jp/air/report/h15-01/1-3p.pdf ・http://www.env.go.jp/air/life/heAt_island/panf01.pdf ・http://www.ogiken.co.jp/siryou/heat.htm ・http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0406pdf/ks0406005.pdf ・http://www.city.osaka.jp/keieikikakushitsu/sogo/n_sougou/data_h17/pdf/28.pdf