ヒートアイランド現象3

出典: Jinkawiki

目次

 ヒートアイランド現象とは 

ヒートアイランド現象とは、都市に人口が集中し、都市域が拡大、地表面の人口被覆化、エネルギー需要によりその周囲の大気に影響を与え、その結果として都市気候が郊外より高温化する現象である。都市の内外で等温線を描くと、都市内部の高音域があたかも地形上図上での海に浮かぶ島の等温線のように見えることからヒートアイランド現象(熱の島)と呼ばれている。ヒートアイランド現象は「都市がなかったと仮定した場合に観測されると見積もられる気温に比べ、現実の都市の気温が高い状態」と言うこともできる。

 原因 

主な原因として、

1.都市化に伴い、緑地や水面が少なくなることで、自然に行われていた蒸発散量が減少し、大気内に熱が蓄えられる。

2.都市を構成する建造物に使用されているアスファルトやコンクリートは、暖まりにくく冷えにくい性質を持っているため、日中に蓄積した熱を夜に放出する。

3.建物の存在によって地表面の摩擦が大きくなることで、地表付近の風速が弱まり、地表の熱が上空に運ばれにくくなる。

4.都市への人口集中による、各種エネルギーの増加。 その他にも、ヒートアイランド発生の要因が考えられており、ヒートアイランドは様々な要因が絡まりあって起きているといえる。

 影響 

主な影響として、集中豪雨・熱中症・光化学スモッグなどが挙げられる。集中豪雨に関しては、都市の高温化によりダストドームが都市と郊外を覆っており、湿った空気が海風等から都市部から発生する熱の上昇気流にぶつかって停滞し、局地的に積乱雲が発生し、豪雨になるという仕組みである。熱中症については、真夏に30℃以上の高温にさらされる時間の増加、熱帯夜(気温25℃以上の夜)の増加により、日射病と熱射病が併発することによって起きる熱中症が発生し、患者数は年々増加している。年間搬送人数と年間の夏日、熱帯夜の日数との関係では有意な相関性が報告されている。光化学スモッグの発生について、「日最高気温と光化学スモッグ予報発令率」(出店:図解・何かがおかしい!日本異常気象、2006)では、気温が上昇するにつれて予報発令率が高くなっている、という調査結果が得られている。

 対策 

1.街路樹を植える、河口付近の建物を低層建築物に建て替えることによって風通しを良くし、都市河川の冷却効果を上げる。

2.川辺の植栽と市街地の街路樹などをつなぎ、緑のネットワークを都市内部に張り巡らせることでヒートアイランドを分割する。建物の屋上の緑化、散水によって涼房する。(打ち水等と同じ効果)

都市排熱を下水、河川へ排出することによる排熱処理、未使用エネルギー(河川水、海水、地下水などの温度差エネルギー、工場などの排熱、ごみ焼却排熱、下水熱などの総称)の活用。 以上のようなことが対策として挙げられている。


尾島俊雄 ヒートアイランド 2002 東京:東洋経済新報社

気象庁 ヒートアイランド現象に関する知識 http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/himr_faq/index.html


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