フォルケホイスコーレ2

出典: Jinkawiki

 北欧独特の成人教育機関。国民高等学校とも言う。デンマークで生まれ北欧全土に350校あまりが存在しており、デンマークには約80校存在する。大学や専門学校では経験できないユニークなカリキュラムを持った大人を対象とした北欧オリジナルの学校。教育理念は、1)資格や試験はない、2)誰にでも開かれた教育を行うこと。 実際に通っている人達は、高校を卒業したばかりの人から、一旦社会に出て「退職を期に」と人生を考える人までと様々いる。

 デンマークにおけるフォルケホイスコーレは、現在、18歳以上の者であれば、性別・年齢・障害の有無・国籍等問わず誰でも入学が可能。技術・知識の習得が目標ではなく、授業は対話形式で行われ、自発性や主体性が重視され、試験もない。よって、単位や資格の付与は無い。また、生徒も先生も共に寮生活を送り、毎日の寮生活(食事や掃除、余暇まで)を通し、人間相互のかかわりあい方などソーシャルスキルを身につけ、社会性を自覚し、自己発見をして自分の道を探し出すことに目標が置かれる。

 学生数は、一校80~100人程度で、学期は2~8ヶ月まで様々あり、好きなだけ更新が可能。

 学校運営費はその約8割を国が補償しており、財政的には公立学校に近いものになっているが、カリキュラムや人事など、学校の内容や運営にはいっさい行政は関知できないことになっており、行政から独立した私立の学校というスタイルが守られている。

 授業内容としては、大まかには伝統的科目・趣味と実益をかねた実践的科目・現代的課題の三つに分類できる。伝統的科目としては、デンマーク文学・歴史・自然科学・コーラス・演劇・デンマーク体操・語学など昔からフォルケホイスコーレの科目として大事だったものが挙げられる。趣味と実益をかねた実践的科目では陶芸・工芸・音楽・テニスなど様々なものがある。現代的課題においては、エコロジー・国際関係論・ジャーナリズム学などがある。授業は一方通行的な講義形式はなく、ほとんどがゼミナールかワークショップ(参加体験型学習)形式で行われる。また、スポーツは障害者も参加可能であったりと、誰でも参加できるレベルのものとなっている。学校はそれぞれスポーツや環境や音楽など、独自に力点を置いているが、専門学校化せずに、どこでもバランスのよい科目配置をしている。例えば、スポーツに特化した学校でもグルントヴィやデンマーク文化や音楽などについて学ぶことができるのである。    また、フォルケホイスコーレといっても北欧において、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランドで違いがあり、大きく分けるとデンマーク・ノルウェー派とスウェーデン・フィンランド派に分かれる。デンマーク・ノルウェーは、勉強以外に生活や人とのつながりなど遊びの部分を大切にするのに対し、スウェーデン・フィンランドのものは、職業訓練や大学進学に必要な補修など、デンマークのものより勉強自体に重点が置かれる。  


スウェーデンのフォルケホイスコーレ

 スウェーデン語では『フォルケヘーズスコーラ』と呼ばれる。スウェーデン南部に広がり146校存在している。 スウェーデンのフォルケホイスコーレは、デンマークやノルウェーとは違い、入学条件として高いレベルの語学力が求められる。よってスウェーデン語学習の経験の全く無い人は入学が厳しくなる。


参考  

http://www.asahi-net.or.jp/~PV8M-SMZ/society/hoeskole.html


    ・http://homepage2.nifty.com/hokuo-study/folkestudy1.htm


    ・http://egmont.jp/archives/27/279/


    ・『生のための学校』 (株)新評論   清水満編著  1996年12月1日発行


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