ブラジル2
出典: Jinkawiki
南米大陸のほぼ中央部に位置しながらも、一部は北半球にまで広がる、およそ851万㎢の面積を有する。ロシア、カナダ、中国、アメリカに次いで5番目に大きい国。東西南北がほぼ等しい広がりにもかかわらず、国土のかたちは北部が広く南部が狭い、不定形を呈している。おおまかにいうと、北部を底辺にして頂点が南部に位置する、巨大な三角形を想起させる。
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特徴
ブラジルにはほとんど砂漠や峻険な山脈が存在しないため、全地域が移住可能(エクメーネ)な世界である。7367㎞の海岸線が大西洋に面していることから、大西洋の一国ともとらえられる。大西洋の存在は、ブラジルの気候に影響を及ぼしている。地理的位置は、北のエクアドルと西のチリを除く南米10ヵ国と国境を接していることでも、国交上あるいは地政学的観点からきわめて有利である。さらに、地形面で3つの主要な地形、アマゾン水系、サン・フランシスコ川水系、ラ・プラタ水系がクモの巣状に張り巡らされており、嶮しい山系があまり存在しないこともあり、内陸部への入植が比較的容易であった結果、領土拡大にもつながった。
国名の由来
日本では、江戸時代の天文学者、西川如見の『華夷通商考』の中に「ハラジル」という名で初めて登場した。定説では、大西洋沿岸部に植生するするパウ・ブラジル(スオウの木で、その深紅色はヨーロッパにおいて染料として用いられた)に由来するようだ。だが、10世紀頃にカートグラフィーに現れる、ケルト語で「幸福の地」を意味する"Hi Brazil"と呼ばれた島こそブラジルの国名の起源であるとする節も一方にある。1500年にポルトガル人によって発見された当初は、「真の十字架の島」、「聖十字架の地」、「オウムの地」といった具合に短期間に名を変えた。ちなみに、パウ・ブラジルが密生したかつての北東部沿岸部のゾーナ・デ・マッタ(森林地帯)は今では、往時の面影もなくその名称とは裏腹に、まとまった樹影を観ることさえままならない。
ブラジルの国民性
ブラジル人の思考・行動様式を含めた国民性は、底なしに陽気なものである。しかしながら、総じてブラジル人の性格なり性向は、三位一体ともいうべきポルトガル人、インディオおよび黒人によって形成されているため、それぞれの民族性が濃淡の違いこそあれ反映されている。ブラジル人の態度を特色づける最たるものは、「どうにかなる」(dar um jeito)という悠揚な考えである。これは、日本人とは対極にある心性である。
参考文献
田所清克(2016)『ブラジル雑学事典』春風社
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