ヘッドスタート計画8

出典: Jinkawiki

目次

ヘッドスタート

 ヘッドスタートとは、アメリカ合衆国のHHS、健康及び人的サービス省というところが行っているプログラムで1960年代の半ばから始められている。恵まれない低所得者の未就学児童3歳~5歳を対象とし、早期の学習環境を用意するものである。これは政府からの支援により成り立っており、宇宙開発に次ぐ予算規模で行われている事業である。合衆国では長く続いている国民的なプログラムである。教育だけでなく健康や栄養、さらに両親をも巻き込んだサービスを提供するものであり、ほとんどすべての州、郡の48,000以上の教室で実施されている。また、多くのボランティアスタッフも参加しているという。読み書き、数的感覚、言語能力の向上を目指している。またお絵かきなども習ったり、ゲームをしたり、歌をうたったりもする。視聴覚教材の一つとして有名になったのは,セサミ・ストリートである。もちろん一般の幼児だけでなく身体障害児も対象となっており、予防接種、健康診断、栄養、教育、社会的サービスなど様々な場面での支援が行われている。


歴史

 ヘッドスタートの始まりは、「貧困との戦い」というリンドン・ジョンソン大統領のキャンペーンの一部として始まった。「1964年経済機会法」が低所得で恵まれない家庭の就学前の子供たちに健康や栄養、読み書きなどの支援を行い、子供たちのニーズに応えようとするプログラムを認可したのである。政府の要望に沿って児童発達の専門家グループによりプログラムが起草された。このプログラムがヘッドスタート計画と呼ばれるものである。1965年、ヘッドスタート計画は8週間の夏休みのプログラムとして開始された。この計画は、低所得者の家庭の未就学児童の言語能力や健康、栄養面など様々な面をサポートすることで子どもたちに貧困という壁を越えて学ぶ機会を提供するものとなっている。その後ヘッドスタートは1969年、リチャード・ニクソン政権で健康教育福祉省の児童発達局というところで管理されるようになった。このプログラムは地方レベルでいうとNPOや地方の教育行政機関が、学校制度と同じように運営をしている。


ヘッドスタートとサービス

 ヘッドスタートの支援を受けられる家庭には、それぞれによって障害などの資格も含まれたり、支援対象の子供の家族にもサービスが提供されたりしている。これらサービスの受給資格の基準は、原則的にはその家庭の収入に基づき決定されている。また、先ほど述べたようにこれらすべてのプログラムサービスは障害を持つ子供たちにも同じように提供されているものである。ヘッドスタートのプログラムの目標としては、これらの支援を受けることとなった子供たちが学校に入学してからの学習活動にうまく適応し、他の子に劣らず生活できるように援助してあげることである。またこれらの活動には家庭と地域の協力や関わりが重要となり、これら二つがこのプログラムの活動を推進して管理し、評価していかなくては成り立たないものなのである。双方の積極的且つ活発的な関わり合いが必要不可欠なのである。また言語能力以外に重視されているサービスとして、健康がある。子供が成長していく上で健康を保つことは重要であり、このプログラムのサービスの中には子供たちの歯科検診なども含めた健康診断の機会が用意されている。このようにヘッドスタートのプログラムには子供たちの健康面でのケアも含まれているのである。

参考文献

  • CHILD RESEARCH NET[[1]]
  • ヘッドスタート[[2]]

Y.S

 


  人間科学大事典

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