ヘレニズム文化
出典: Jinkawiki
ヘレニズム文化とは、アレクサンドロス(アレクサンダー)大王の東方遠征によって、オリエント世界にギリシア文化が入り成立した東西融合文化である。ヘレニズムというのは“ギリシア風”ということを意味し、ギリシア人が支配権を握って経済的に繁栄した都市を中心として展開した。その結果、自己を世界というポリスの市民とみなし、従来のポリスの枠をこえた国際的な世界観と個人の個性を重視するもの、簡単にいえば、全世界の人々を自分の同胞ととらえる思想である世界市民主義(コスモポリタニズム)が現れ、ポリス中心の価値観は否定された。また、新約聖書にも使われ、のちのビザンツ帝国の公用語ともなる「コイネー」というギリシア語が、共通語として国際的に使用された。他にも、自然科学や倫理哲学が発展し、オリエント世界だけではなく、インド世界や地中海世界にも多大な文化的影響を及ぼした。
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ヘレニズム文化の「自然科学」
アレクサンドリア・ペルガモンを中心に展開。アレクサンドリアに開設された研究機関(ムセイオン)には、1万巻のパピルス文書が所蔵されていた。
●エウクレイデス・・・平面幾何学の大成者。「幾何学原本」「幾何学に王道なし」
●アリスタルコス・・・太陽中心の宇宙像、地球の自転と公転を主張
●アルキメデス・・・浮体(比重)、テコの原理。円周率(球体の求積法)を発見。
●エラトステネス・・・子午線の長さを測定
ヘレニズム文化の「哲学」
●ゼノン・・・ストア派の創始者。欲望を抑え、理性に従い、心の平静に到達するのを理想とする(禁欲主義)。世界市民主義を反映し、理性は世界に普遍的なものとする。
●エピクロス・・・エピクロス派の創始者。デモクリトスの唯物論に立ち、死後の世界を恐れることなく精神的快楽を得るアタラクシアの状態を理想とする(快楽主義)
ヘレニズム文化の「美術」
古代ギリシアの調和・均整の美が失われ、感情や性格を写実的に表現することを好む。
●「ミロのヴィーナス」
●「サモトラケのニケ」
●「ラオコーン」
~参考文献~
・グローバルワイド改訂版最新世界史図表(1997年) 第一学習社
・三訂必携世界史用語(1993年) 実教出版