ホームスクール9

出典: Jinkawiki

目次

概要 

 ホームスクールとは、文字の通り、義務教育段階でも学校に通わず、家庭内やそこで触れるメディア、学校外施設での教育を主体とするものである。1970年代にアメリカの教育の中でホームスクール作りが盛んにおこなわれるようになってきて、1980年代以降も、その増加は勢いを止めずひとつの社会運動といえるほどであった。1990年代になると、ホームスクーリングやそれらを運営している親たちが世間的に認められるようになる。そして、また徐々に広がっていったのである。


ホームスクール体制をとる親たち 

 アメリカのホームスクールを行っている親たちの大多数は、非常に信仰心が厚く、学校はキリスト教の教義とは合わないと考えている。そのほかにも人種的な偏り親の人種的な違いによっても、ホームスクールにしているか否かという部分に関わってきていると考えられる。さらに、親は、メリットとして、家族が一緒に学ぶことができる、家族のより親密な人間関係構築、公立学校の中だけではなかなか経験できない大人社会とのかかわり方も学ぶことができる、などといったことを挙げている。


メリット・デメリット

 まずはメリットについて述べる。第一に、子どもに合わせた学習のカリキュラムを組んで、子どもを指導することができることである。そこから派生して、親が重要だと思うこともそのカリキュラムに組み込むことが可能になっており、学校で教えられることで親が重要でないと思うことは省いて指導することができるのである。また、学校で遭遇する様々な問題(いじめや他人との比較で生まれる劣等感など)を回避することができる。しして、先にも述べたように、学校に通わない分、家族との時間が多く取ることができ、その分コミュニケーションを多くとれる。 デメリットに関しては、一番大きいものとして、集団という中へ属す経験が少なくなるため、多くの人とのコミュニケーションやそこでの行動の仕方などが学べないという子著だろう。社会へ出でいけば、必ずと言っていいほど家族以外の上司・同僚・部下といった人たちとの関わりがついて回る。そうした際に、経験不足であると、社会での立ち回りがわからないほか、仕事もままならなくなるだろう。したがって、ホームスクールをする際には、親自身もそうした問題があることを理解し、何かしらの集団とのかかわりを持てるような機会を意図的に作っていくとよいだろう。


日本とホームスクール

 日本ではホームスクールに関して、不登校生徒との関係で若干の関心があるのみであり、実践者はほとんどいない。アメリカに比べて日本のホームスクールは認知度も低く、環境も整っていない。しかし、徐々に注目を集めるようになっている。現在、HoSAに所属するホームスクーラーは140家族(2001年現在)。発起人に名を連ねるマイクロソフトやNTTソフトウェアなどの大企業は、ホームスクールの発展によって教育システムや教育機器など新たな市場が誕生すると見ているようだ。HoSAの理事長で、兵庫教育大学教授の成田滋さんは1周年シンポの最後に「学習の場はいろいろなところにある。将来はホームスクールも認知されるだろう。また、そうでなければならない」と語った。


参考文献

・秦明夫、山田達雄『ホームスクールの時代』(1997)東信堂

・家庭で学ぶ新しい「学校」日米「ホームスクール」事情 http://database.asahi.com/library2/main/top.php


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