ミレニアム開発目標2

出典: Jinkawiki

【ミレニアム開発目標とは】(この項目では基本的にミレニアム開発目標をMDGs、アジェンダ2030をSDGsと表記する)

  ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals :通称MDGs)とは、極度の貧困と飢餓や初等教育の完全普及の達成など、開発分野における国際社会共通の目標で、2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言をもとにまとめられた。同目標は、ほとんどの目標の基準年を1990年として、極度の貧困と飢餓の撲滅などを含めた8つの2015年までに達成すべき目標と、21のターゲット、60の指標からまとめられている。

【MDGsの成果と課題】

 報告書によると、開発途上国で極度の貧困に暮らす(1日25セント未満で暮らす)人々の割合は、1990年の47%から14%に減少し、初等教育就学率も2000年の83%から91%に改善しており、8つの目標のうち、①極度の貧困と飢餓の撲滅(1-A)や②普遍的初等教育の達成などは概ね成功しているといえる。しかし、目標④や⑤に掲げられているような5歳未満児や妊産婦の死亡率削減においては改善が見られたものの目標水準には及ばず、女性の地位についても就職率や政治参加の面で男性との間に大きな格差が残っている。また、二酸化炭素の排出量が1990年比較で50%以上増加しており、気候変動が開発の大きな脅威になっていることを指摘している。また、国内や地域別でみると、達成状況に格差がみられ、深刻な格差問題と最貧困層や脆弱な人々が依然置き去りになっている状況も指摘されている。

【MDGsからSDGsへ】

 MDGsで残された目標を解決すべく登場したのが「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(通称SDGs)」である。SDGsではMDGsでの経験から「だれ一人残さない-No one will be left behind」を理念として、国際社会が2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現するための重要な指針として、17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals :SDGs)と、169のターゲットから構成されている。この目標はMDGsでの課題である保健や教育に加えて、MDGsの期間中に顕在化した都市、気候変動、格差などの課題の解決など、MDGsに比べて21世紀の問題をより包括的に示している。また、MDGsとSDGsの大きな違いとして、前者は対象が開発途上国のみだったのに対して、後者は先進国も対象に含まれていることが挙げられる。さらに、MDGsでは問題の解決策は主に先進国が考えたもので、途上国が受け入れにくいものであったが、SDGsは先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標を考えているのが特徴である。つまり、SDGsはMDGsに比べてより世界全体を見渡して作られた開発目標である。

【参考資料】

・SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?17の目標を分かりやすく解説。日本の取り組み事例あり(http://miraimedia.asahi.com) ・朝日新聞デジタル「SDGsって何?」 ・SDGs Index and Dashboards Report 2018 NewYork :Bertelsmann Stifung and Sustainable Development Solutions Network (SDSN) ・ミレニアム開発目標(MDGs)の達成状況、SDGs(持続可能な開発目標)とJICA(http://www.jica.go.jp)

編集者 新川


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