メディア

出典: Jinkawiki

目次

メディアの定義


『広辞苑 第六版 岩波書店』によると、メディアの言葉の意味は、媒体。手段。特に、マスコミュニケーションの媒体。       (『広辞苑 第六版 岩波書店』)
 メディアとは“媒体”という言葉の意味から考えると、人と情報を結ぶものである。したがって、ある事実を解釈するために必要な“言葉”もメディアである一方で、そうした“言葉”を伝達する手段もまたメディアである。  

メディアの歴史


“言葉”を伝達する手段という観点から考えると、メディアの起源は、紀元前30世紀ごろエジプトで発明された“パピルス”にある。パピルスという植物から作られたものでる。石版や木片よりも軽いので、文字や絵を書いて持ち運ぶにあたって利便性が増した。日本において、メディアを介した通信制度は、大宝律令により整ったといわれている。全国7つの幹線道路に等間隔に駅を設け、人や馬で“手紙”を運んでいたのだ。江戸時代になると“手紙”のやり取りはさらに盛んになり、“飛脚”制度が発達したという歴史もある。  “手紙”は書き手から特定の読み手を対象として送られるものだが、メディアは技術発展によってその対象を不特定多数にまで拡大した。マスメディアの登場である。対象を不特定多数にまで拡大し、情報の同時発信を最初に可能にしたのは15世紀半ばのヨハネス・グーテンベルクによる“活版印刷”の発明である。グーテンベルクは活版印刷術を使い、世界初の近代的な出版物であるグーテンベルク聖書を完成させた。欧米や日本では、19世紀の産業革命による都市人口の増加と、初等教育の普及による識字率の上昇に伴い、“書籍”、“新聞”の大衆化が進んだ。こうした不特定多数の大衆を対象とする情報伝達のことをマスコミュニケーションという。

現代のメディア


情報化社会と呼ばれる現代においては、メディアの多様化が進んでいる。これまでの一方的だった情報伝達を、双方向的なものにする仕組みも現れている。チャットやSNSといったものもその一つである。何らかの情報を持っていれば、容易に情報の発信者になれる時代なのである。2011年3月11日に起こった東日本大震災においても、情報インフラが混乱する中で、twitterが情報伝達に大きな役割を果たした。 現代社会において私たちは、ただ情報の受け手としてだけでなく、主体的な発信者として、メディアを活用していかなければならない。

身の回りにあるメディア


メディアの多様化が進む現代において、私たちの身の回りにはさまざまなメディアがある。

メディアの種類 ――定義――具体例

マスメディア――少数の送り手から不特定多数の受け手への情報伝達の手段――テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、映画 etc.

ネットワークメディア――送り手と受け手の関係が網の目状になる情報伝達の手段――インターネット、パソコン通信 etc.

パーソナルメディア――使い手が情報を管理するための手段――カメラ、携帯、CD、DVD etc.

双方向メディア ――双方が送り手にも受け手にもなれる情報伝達の手段――電話、SNS(mixi、twitter …) etc.

同期型メディア ――送り手と受け手が同時にコミュニケーションに関わる手段――電話、インスタントメッセンジャー etc.

非同期型メディア――送り手と受け手が同時にコミュニケーションに関わる必要がない手段――掲示板、手紙、電子メール etc.

マルチメディア――文字、音声、映像、動画など、複数の情報を送ることのできる手段――パソコン、テレビ etc.


注意

 一応の分類はなされているが、すべてを整理できるわけではない。メディアによっては重なり合う部分もある。例えば、電話は話し手と受け手の対話によって成り立つので“双方向メディア”であり、“同期型メディア”である。あるいは、twitterも“双方向メディア”でありながら、リツイートという機能で発信された情報が網の目状に広がっていくことを考えると、“ネットワークメディア”である。1つの機器が複数の機能を持つために、上記によって正確に分類を行うことはできない。メディアの多様化は急速に進んでいるのである。

 この他にも私たちの身の回りには、上記のような電子機器ではなくても、様々なメディアがある。バス停の時刻表。町内会の案内板。あるいは、店の看板。これらもメディアといえる。人と人との会話も、広い意味ではメディアといえるだろう。人と情報を結ぶものはメディアと捉える事が出来るのである。

参考・引用文献


『情報化社会とマスコミ』(有斐閣選書、1988年)

『広辞苑 第六版 岩波書店』


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