モジュラー・スケジューリング

出典: Jinkawiki

 モジュラー・スケジューリングは、1970年前後から人間性重視の教育を学校教育に実現するために、アメリカの中等学校を中心に実践されてきた新しい時間割の工夫である。児童生徒個人の興味や能力に適した学習を組織するために、授業時間を画一的に決めずに、生徒の要求に合わせて短い単位時間(モジュール)を設定し、これをもとに個別の時間割表を作成する方式である。1モジュールは一般に18分~22分の時間の長さの単位である。それを単独に使ったり、いくつかを組み合わせて使い、個別に学習課題に応じたモジュールの長さが設定される。学校日課を複数のモジュールに分け、同じ科目のモジュールを選択した生徒を中心に編成した集団で授業が行われる。  学校の種類、学年段階、児童生徒及び教師の個々人によって教授=学習の内容や方法が異なることを特色とし、教授=学習の個別化、進度別のカリキュラムの採用の容易さ、ティーム・ティーチングなどによる教授組織の改善、個々の生徒の要求や能力に応じた学習集団の規模や学習時間編成の弾力化などを目的としている。


意義・問題点

モジュラー・スケジューリングの意義 ①児童生徒に対する柔軟な時間運用と個に応じた課題選択が可能になること。 ②1単位時間の弾力的な運用だけでなく、学校時間全体の弾力化を図られるようになること。 ③モジュラー・スケジューリングのような柔軟な方法を考察することによって学級担任や教務主任の時間運用能力が高まること。

モジュラー・スケジューリングの問題点 ①児童生徒が課題別に集団を作ることから、学習への目的意識を高め学習の準備を十分にしておくことが必要になること。 ②柔軟な時間配分が行われているだけに、児童生徒各自の休憩時間を含めた時間管理能力を高めておく必要があること。 ③児童生徒が苦手な課題や科目の選択を避ける傾向が生じる場合があること。


参考文献 

『教育課程の理論と実践』山崎保寿/黒羽正見著 学陽書房

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  人間科学大事典

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