モンスターペアレント
出典: Jinkawiki
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名称
学校や教師に、クレームの集中砲火を浴びせる保護者のことを指す。「モンスター」とは本来、怪物や化け物の意味であるが、「モンスターペアレント」とは向山陽一氏が名づけた和製英語である。2007年の文部科学省の委託での教員勤務実態調査によると、全国の公立小・中学校教員の70%以上が「保護者や地域住民への対応が増した」と感じており、その結果「授業の準備時間が足りない」と師匠を訴える教員も小学校では78%、中学校では72%になる。
タイプ
「モンスターペアレント」は言動や行動の特徴からいくつかのタイプに分類される。
1. うちの子を最優先させるタイプ
2. 親の都合を最優先させるタイプ
3. 先生や学校が困るのを楽しむタイプ
4. 金品をねだるタイプ
4つのタイプの中で圧倒的に多いのが「うちの子を最優先させるタイプ」である。親は自分の子供が不利な立場に置かれては困ると、守りに走る。学校にも先生にも、かわいい「うちの子」を大事に扱ってほしい。親心が行き過ぎて常軌を逸したクレームとして噴出する。 また「金品をねだるタイプ」は他のタイプとは異なり、目的が子供ではなく金品で保護者が学校に「誠意を示せ」などの言葉を用いて具体的な金額を要求する。出そうと思えば出せそうな微妙な金額を提示し、最後まで粘る場合が多い。
ヘリコプターペアレント
「モンスターペアレント」はアメリカにも存在する。ただしアメリカの場合は「モンスター」ではなく「ヘリコプターペアレント」と呼ばれている。これは、ヘリコプターは一般の飛行機よりも小回りが利くので、まるでヘリコプターのように絶えず子供の頭上を旋回していて、いったん子供の身にトラブルが起きたとなると急降下し、救出に駆けつけるという意味合いである。日本の「モンスターペアレント」と異なるのは、活動の舞台が大学という点である。アメリカの子供は大学の寮で暮らし、家を離れる学生が多い。この時期に親離れ・子離れする場合が多いのだが、それが出来ずに過保護になり手や口を出しすぎてしまう「やりすぎ保護者」がアメリカ各地の大学で報告されている。
つぶされていく教師
現代の現場の教師は悲鳴を上げている。教師の悩みの要因は大きく4つあり、1つめが雑用の多さ、2つめが子供との関係、3つめが現場の教師同士の人間関係、そして4つめが困った親への対応である。以前こんなニュースが報道された2006年6月、東京都新宿区立の小学校の信認の女性教師(当時23歳)が「無責任な私をお許しください。すべて私の無能さが原因です」という遺書を残して自らの命を絶った。朝日新聞の記事(2007年10月9日付朝刊)によると就任後間もなく、ある保護者からのクレームに悩まされていた。市の直接の原因かどうかは言えないが少なくとも要因の一つであろうと考えられる。
参考文献
親たちの暴走 日英米のモンスターペアレント 多賀幹子 朝日新書
モンスターペアレント!?「親ばかとバカ親は紙一重」 諸富祥彦 アスペクト
N・N