ユダヤ教8

出典: Jinkawiki


目次

ユダヤ教8

 ユダヤ教の中心概念は神との契約である。この契約は、古代中東の民族であるイスラエル人の進行にまでさかのぼる。そして、現在でも、ユダヤ人は、自分たちは一連の契約によって神と結びついていると考えている。初めの契約はアブラハムによるもので、その中で神は、イスラエル人こそが神によって選ばれた民族であると断言している。のちに、モーセの契約によって、神とイスラエル人とのこの結びつきが確認された。


ユダヤ教の戒律

 シナイの契約のなかでも最も有名な戒律は「十戒」である。十戒は、イスラエルの民と神の契約の根幹をなす規則であり、ほかの宗教の神々を崇めることや、偶像崇拝を禁止し、毎週安息日を守ることを定め、さらにいくつかの特定の行為(殺人や姦通など)を禁止している。トーラーには、十戒のほかにも、多くの法が含まれる。それらはすべて、シナイ山やその他の場所で、神がモーセを通してイスラエル人に示したものであるとされており、神の契約の一部にもなっている。


ユダヤ教の選民

 神がなぜイスラエルの祖とその子孫たちを選んだのかについて、トーラーではほとんど説明されていない。しかし、神との契約関係によって、イスラエル人はほかの民族にはない特権を与えられた立場にあるということは強調さている。聖書をかいた人々は、イスラエル人がほかの民族よりももともと優れていると考えていたわけではない。むしろその反対で、イスラエル人は罪深く価値の低い民族として描かれていた。それでも、イスラエル人が特別な立場の人々であるということは、聖書にはっきりと記されているのである。ユダヤ人が、自分たちの信仰する神は世界を司る唯一の神であると信じるようになるにつれて、その神に選ばれた民族という彼らの地位は、より重要性を持つものになっていった。


参考文献

ユダヤ教の歴史(2015)市川 裕 河出書房新社


宗教学大図鑑(2015)ドーリング・キンダースリー社 株式会社三省堂


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