ユニバーサルデザイン
出典: Jinkawiki
ユニバーサルデザインとは、障害者に限定せずに、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報のデザインをいう。
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背景
ユニバーサルデザインが生まれた背景には、キング牧師に代表される公民権運動が、障害をもつ人の権利運動に影響を与え、彼らの運動が法整備を促進させてきた経緯がある。アメリカでは、ベトナム戦争以降に障害者が増えたことなどを契機に障害者のための法律が制定されるなど、障害者といった特定の人への特別の対策である「バリアフリーデザイン」の運動があった。バリアフリーデザインでは一般の消費者向けではないので魅力的な市場とはならず、見た目が悪く、価格が高い、そして何より利用する障害者も特別扱いされることを好ましく感じていないなどの問題があった。自身も障がいを持っていたノースカロライナ州立大学の ロナルド・メイス教授が、1985年に、法律の限界を踏まえて、障害のある人を特別視せずに、あらゆる人が快適に暮らすことができるデザインとして、ユニバーサルデザインを提唱した。
理念
ユニバーサルデザインは、“すべての人が人生のある時点で何らかの障害をもつ”ということを、発想の起点としている点で、それまでのバリアフリーデザインとは大きく異なる。そこには、可愛そうな人のために何かしてあげようと いう慈善はない。 障害の部位や程度によりもたらされるバリア(障壁)に対処するのがバリアフリーデザインであるのに対し、ユニバーサルデザインは障害の有無、年齢、性別、国籍、人種等にかかわらず多様な人々が気持ちよく使えるようにあらかじめ都市や生活環境を計画する考え方である。
ユニバーサルデザインの7原則
1.誰にでも公平に使用できる事。 2.使う上での自由度が高い事。 3.使用方法が容易にわかること。 4.必要な情報がすぐ理解できる事。 5.間違えても重大な結果にならないこと。 6.少ない労力で効率的に、楽に使える事。 7.接近して使える様な寸法・空間となっている事。
課題
ユニバーサルデザインは開発段階から、すべての人々の使いやすさや使い勝手を考えて設計するので結局は安くつく、後からあれも要るこれも要ると付け足すよりトータルで考えると安くつく、より多くの人が使うから大量生産で単価は下がると言われているけれど、それを使うユーザーにその意識や認識がなければ、ユニバーサルデザインの実現にはやっぱりお金がかかることが多い。ユニバーサルデザインの実現には、異文化や他者への理解が最も必要となる。
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