リスボン条約
出典: Jinkawiki
リスボン条約は、既存の欧州連合の基本条約を修正する条約。改革条約(かいかくじょうやく)とも呼ばれる。本条約の正式な名称は「欧州連合条約および欧州共同体設立条約を修正するリスボン条約」。2007年12月13日にリスボンのジェロニモス修道院において加盟国の代表らによって署名され、2009年12月1日に発効した。
今回のリスボン条約の否決について言うと、「与党も野党も賛成していたのに、一般国民の素朴な感情で否決された」となる。その理由は「不安ゆえにもたらされたものであって、合理的な理由からもたらされたものではない」と言える。たとえば、「安楽死や妊娠中絶の合法化」への不安があったようだが、これらは条約とは何の関係もないデマにすぎない。デマに基づいて国民投票で否決されたと言えそうだ。リスボン条約は、アイルランドでは否決されたが、他の欧州諸国では批准されている。リスボン条約の前身は、欧州憲法条約である。これも、批准されかかったが、2005年にフランスとオランダにおける国民投票でが否決された。このままでは可決の見込みが全然立たないので、欧州憲法条約を大幅に薄める形で、新たな条約が提案された。これがリスボン条約である。
リスボン条約が欧州憲法条約と違う点は、次の点だろう。 「EU( or 欧州会議)から、国家的な色彩を薄める」 そもそも、EU( or 欧州会議)には、国家的な色彩が強かった。それは「各国の主権を奪う超国家」と見なされた。そのせいで、各国の国民の多くは、自らの権利を奪われると恐れて、拒否反応を示すこともあった。
そこで、リスボン条約では、この「国家的な色彩」を薄めることにした。次のように。 「EUのシンボル(旗、歌、標語)や「憲法」といった、国家のような特徴を表す規定や表現を取り除く」 「EUのさまざまな形態の法令に関して、従来の規則や指令といった用語が『EU法』というふうに改められることをやめる」( ※この二点は Wikipedia より)
しかしながら、アイルランドの国民投票では、この点が誤解されて、否決されたようだ。何しろ「なぜ反対するか理由はわかっていて反対する」と答えた人はたったの5%しかいない。残りのほとんどは『わけがわからないから不安ゆえに反対する」と答えているのだ。(報道でやっていた)「欧州統合はすばらしい理想だから、理想の実現をめざせ」というのは、頭でっかちの空想にすぎない。足が地に着いていない。 経済というものは、理念だけで片付くものではない。現実的な経済政策が必要だ。なのに、マネタリズムのような妄想的な経済政策に従えば、現実を肌で感じる国民が拒否反応を示すのも、おかしくはないのだ。