リフレ政策
出典: Jinkawiki
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概要
リフレ政策とは意図的にインフレーションを起こす政策のことである。現在安倍政権のもと、アベノミクスの三本の矢の一つとして行われており、世界から注目を浴びている。リフレを行ったところで、インフレを起こすことはできない、逆にハイパーインフレを起こしてしまうといった意見も挙げられている。
現在の日本経済
ここ数年、日本の物価上昇率は、年率マイナス2%から0%の間にあり、深刻なデフレ状態に陥っている。この15年は、1997年に消費税引き上げによる物価上昇がありましあが、それ以外は、リーマンショック直前の2008年前半を除き、横ばいまたは下落の傾向が続いている。 デフレ経済においては、給料などの所得も低下することが多く、実際の日本経済も、所得水準の低下あるいは停滞が続いている。この状況を覆すために安倍政権が打ち出したのがアベノミクスである。
インフレターゲット
中央銀行に政策目標として具体的なインフレ率を設定させること。インフレーションターゲティング、物価目標。 日銀では通常時はインフレ率1%を目途にされていたが、現在はリフレ政策により2%を目標に運営がなされている。
方法
デフレ脱却を目標として行われるリフレ政策で取られる方法として三つの手段があげられる。一つ目は金利の引下げ。二つ目は国債の買い入れ。三つ目は期待に働きかけることだ。一つ目の手段はマネーを増やそうとした場合、最初に取られるもっとも通常的な手段であり、さらに金融機関に直接お金を貸し出す金利を下げるという方法と、民間の銀行同士がお金をやり取りする金融市場において、日銀がマネーを供給することにより、この市場に折れる民間銀行でのお金の貸し借りの金利を下げる方法の二つに分けることができる。いずれにせよ、銀行が低い金利でお金を調達できるようになれば、世の中でお金を借りる人が増えて、マネーが世の中にあふれるようになる、ということだ。しかし、この手段は日本のように金利がもともと低い又はゼロのところでは使えない。そこで二つ目の手段の国債の買い入れが行われる。日銀はかつて量的緩和という政策をひねり出し、2001年から2006年まで実施していた。これは、民間の銀行が日銀においてある日銀当座預金残高の量を増やすという政策である。これにより日銀が直接供給しているマネーの量は増えた。しかし、結局世の中のお金はあまり増えることはなかった。これは経済全体の需要が弱かったことが原因と言える。このように、お金をいくら供給しても世の中の人たちがお金をより多く借りないことには始まらないのだ。そして、多くの人にお金を借りさせる手段として、三つ目の手段が講じられる。お金の借り手にインフレが起きる期待を持たせることで心を動かし、結果世の中に出回るマネーが増えていくのだ。
ハイパーインフレ
ハイパーインフレとはインフレターゲット以上にインフレ率が上がってしまい、お金の価値が極端に低い状態になってしまうこと。お金の価値が下がるため輸入することが難しくなり、最悪の場合財政破たんを引き起こすこともある。
参考
小幡績 『リフレはやばい』 湯本雅士 『金融政策入門』 岩波新書