レアアース2
出典: Jinkawiki
レアアースと南鳥島
東京から約1950キロ、周囲1000キロ以内に島がないという海域に、ポツンと浮かぶ南鳥島。この島こそ、日本最南端の領土である。その南鳥島沖の深海底では近年、レアアースやコバルト、ニッケル、銅、白金などが含まれている巨大な鉱床が見つかった。とくにレアアースの価値は高い。レアアースとはIT機器やエコカーなどの製造に不可欠なレアメタルの一種で、中国が世界埋蔵量の9割以上を産出している。 尖閣諸島での中国漁船衝突事故の際、中国が意図的に日本への輸出を制限したのではないかといわれている資源だ。2013年の調査では、中国のレアアース鉱床の10倍以上の濃度であることが確認されている。今後、南鳥島沖海底の開発が進み、レアアースを採取できるようになれば、日本はレアアース大国へと名乗りを上げることができるかもしれないのだ。そんな思惑を胸に、日本政府は2010(平成22)年、南鳥島沖の海底資源の商業化を国家戦略とし、日本近海の鉱物資源の開発、利用を促進する方針を打ち出した。 この島に岸壁の新設を行うなどして、海洋調査の拠点とすることを進めている。さらに、沖ノ鳥島と南鳥島を「特定離島」に指定し、国が港湾整備など島の維持管理を行うことを決めた。通常、港湾の管理は地方自治体が行うが、新法を定めて国が管理する。 この背景には、中国や韓国などに日本のEEZの権益をアピールする狙いがあるとみられている。南鳥島の深海底からレアアースを採掘し、商業化できるようになるまでには、30年以上はかかるという意見もある。気の遠くなるような年月だが、まずは南鳥島の領有を確実にすることが先決ということだ。
参考文献
著者 ニュースなるほど塾[編] 「2時間でわかる日本と世界の領土問題」 河出書房新社
参考資料
https://www.mugendai-web.jp/archives/272
HN:T.K