レディネス

出典: Jinkawiki

「レディネス」

「レディネスとは」

ある行動の習得に必要な条件が用意されている状態をいう。これが、特に学習のレディネスとも呼ばれる概念の定義である。 そして必要な条件としては、身体や神経系の成熟、すでに習得している知識や興味、態度などが想定されている。あることがらの習得に、学習者の身心の条件が準備されているとき、すなわち一定のレディネスが成立していれば、学習者は、その学習に興味を持ち、進んでこれを習得しようとし、学習の効果をあげることができるが、レデプネスがなければ、彼はその学習に興味がなく、学習の効果をあげることはできない。

以上のことから、次のような意味を含んでいる。

1)レディネスの概念は、発達や教育問題を深く関わること。

2)レディネスの成立には、いくつもの要因が関与すること。

3)レディネスは、ひとりひとりの、ひとつひとつの行動の習得についていわれる概念であること。

定義はかなり明快で、その含む意味もさして複雑でないように見えるのだが、実のところレディネス研究はいろいろな問題点・論争点をはらみつつ今日に至っている。レディネスは学習の前提条件であるが、同時に学習によって形成される場合も少なくない。そのうえ、レディネスさえ成立すれば、その後はどんな年齢でも効率的に学習が行われるわけではなく、子供の発達過程にはそれぞれ学習するにふさわしい時期が存在するわけで、学習のこの最適期を逃すと、学習効率が低下し、ときには徒労に終わってしまうことさえある。そこで、レディネスの概念のなかに、その学習可能性と学習適時性という視点を取り入れる必要性が強調されるようになってきた。


「伝統的なレディネス観」

レディネスをまってからの教育というもの。ゲゼル、トンプソン、ヒルトガードたによって主張された。ここでは学習の成果は0の水準に依存しており、学習にはそれが最も効果的になされる固有の時期があると考えていることから、成熟優位説といわれる。

「近代のレディネス観」

発達に先回りする教育であり、アメリカのブルーナーによって提唱された。どのような課題でも適切な用法を用いれば、どんな水準の子どもにも学習させることが可能であると考えることから、学習優位説といわれる。


(引用・参考文献)

発達心理学 松山とし子 日本文化科学者

発達心理学の基本を学ぶ ジョージ バターワース ミネルヴァ書房

学習レディネス指導シリーズ 細川 コーレス社

AJI


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