レーガノミックス
出典: Jinkawiki
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概要
レーガノミックスは、レーガンアメリカ大統領がとった一連の経済政策である。レーガンとエコノミックスを合成した造語である。 レーガン大統領の一期目は前政権から受け継いだスタグフレーション状態の経済の回復が課題であった。政権はインフレと失業に注目した。レーガンの経済政策は減税による供給面からの経済刺激を主張するサプライサイド経済学に基づいている。またスタグフレーションの物価上昇という弊害を抑えるために「通貨高政策」を前提条件にしていた。経済学者の多くは、減税を経済の需要面から刺激する政策と考えるが、サプライサイド経済理論支持者は、供給面においてはるかに大きな効果があると主張した。ジョージ・H・W・ブッシュは当初、副大統領就任前にこの経済政策を「呪術経済政策(ブードゥー・エコノミー)」と呼び揶揄したが、すぐにレーガノミクスとして知られるようになった。急激な軍事支出の増加と並行して行われた減税は、巨額の財政赤字と累積債務の劇的な増加をもたらし、その結果、米国の負債は後任のジョージ・H・W・ブッシュ就任時にはレーガン就任時と比較しておよそ200%増加していた。レーガンの支持者は、大統領が年間予算案を提出するが実際には支出法案承認は下院でされることを論拠に、レーガンの政策が負債増加の排他的な原因ではないとする。 一方でこの財政赤字は税収増大によってわずかに相殺された。支持者の中にはサプライサイド経済学の租税政策の成功がこの要因であると考える者がいる。 より小さく出しゃばらない政府(小さな政府)を目指すという彼の頻繁な宣言とは裏腹に、連邦支出の水準および官僚政治の肥大化が彼の政権の間に進んだという主張もある。
4つの政策内容
第1は大幅な減税を施し、貯蓄と投資を促進させること。
第2は規制緩和を通じて生産性を向上させること。
第3は国防以外に関する歳出を削減して軍事支出を拡大し、強いアメリカを実現すること。
第4は通貨供給量を抑制させる金融政策を取ったこと。
もたらしたもの
この政策は多くの矛盾した内容を持っており、レーガン大統領が当初描いた図式通りにはいかず財政赤字急増の一因ともなった。しかし、レーガノミックスは結果的にはアメリカに巨額の双子の赤字を作り出した。ドル高により国内生産の伸びより海外からの製品輸入が急増し、日本、ドイツをはじめ先進諸国のアメリカ向け輸出が増えてきた。また減税効果で消費が大幅に増えていき、個人借入れも容易になり、消費に拍車をかけていった。高金利政策の結果ドルがアメリカに集まりドル高となってアメリカの物価安定に貢献していく。しかし反面輸出競争力の深刻化により海外への工場移転が進み産業の空洞化がさらに進むという事態になっていく。しかし、ここで他の国と違うところはアメリカ経済の強い所である。財政赤字の拡大は赤字国債の発行で対応していくが、高金利に引かれた海外からの資金流入で順調にそれがさばけるようになっていき、過剰流動性の高まり、土地値上がり、NY株式の急騰などアメリカは大変化していき、それと同時に世界経済は活気を取り戻していった。
成果
レーガノミックスの政策の是非はともかく、結果だけ見るとこの政策により世界がアメリカの消費に頼り、輸出を伸ばし経済の苦境を脱したことは事実であり、更なるドル化が進んだことも事実である。この政策でもう一つ忘れてならないことがある。それはレーガン政権の公約でもある軍事増強である。当時ソ連がアフガン戦争で困惑している時、アメリカは以前のベトナム戦争を教訓としてソ連の歩む道を見据えていた。そしてアメリカは軍備の大拡張に乗り出した。ソ連の弱体化が分かっていたからこそアメリカは軍備増強し、世界を圧倒する軍事力でナンバーワンの座を不動のものにしようとしるのである。結果はすべてアメリカの思惑通りとなり、今や世界のリーダーシップをとっていく大国となった。これが1980年代のアメリカ経済の推移である。