ロヒンギャ族2

出典: Jinkawiki

目次

概要

ミャンマー西部ラカイン州で、ロヒンギャ族の民兵組織と警察・軍との間で起きた武力衝突を機に、おびただしい数のロヒンギャ住民が隣国バングラデシュに避難している。難民の多くが銃・爆弾などによる怪我を負い、心にも傷を負っている。過密で、衛生状態のよくないキャンプでの生活が長引き、深刻な栄養失調や集団感染への懸念も広がっている。


ロヒンギャ族とは

バングラデシュと接するミャンマー西部のラカイン州に住むイスラム教徒の住人であり、ミャンマー国内に約100万人が暮らしている。1948年にミャンマーが英領植民地から独立した後に「ロヒンギャ族」と名乗るようになった。しかしミャンマー内ではバングラデシュ移民と見なされ、国籍が与えられていない。


ミャンマーについて

ミャンマー(ビルマ)はアメリカ合衆国やカナダと同じく、「移民による多民族国家」である。人口約5100万人の60~70%を占めるビルマ人のほか、シャン、カレン、アラカン(ラカイン)、モンなど130を超える少数民族で構成されている。少数民族の多くは、インド、バングラデシュ、中国、ラオス、タイとの国境付近に暮らしている。ただし、人口2位のシャンは推定350~400万人、3位のカレンも推定300万人で、けっして「少数」ではない。この規模の独立国は世界にたくさん存在する。世界の1/4の国(約50か国)が人口300万未満であり、ミャンマーは、独立国家を持っていても不思議ではない複数の「少数民族」を抱える多民族国家なのである。また紀元前から住んでいたのは、モン人やピュー人と考えられていている。11世紀、ビルマ人は最初の統一王朝(バガン王朝)を建国し、この地に仏教を根づかせた。少し遅れて、北方からシャンやカレンなどの民族も移住してきた。ほかの多くの少数民族も、中国から南下してきた移民である。その後は、シャンが勢力を強めたり、モンがビルマ人の王朝を倒したりと、移民の対立・紛争の時代が続いた。


ロヒンギャ問題

ロヒンギャはミャンマー国内で国籍を与えられず、差別されていた。それに対してロヒンギャの武装勢力たちは度々反発を起こしていた。そして2017年8月25日、ロヒンギャの武装勢力はミャンマー政府の軍や警察の施設などを一斉に襲撃した。襲撃されたミャンマーの治安部隊はそれに反撃し、「ロヒンギャの武装勢力」と「ミャンマーの治安部隊」の戦闘が激化した。その2017年8月25日以降、暴力から逃れるためにミャンマーのラカイン州からバングラデシュに逃げてきたロヒンギャ難民は60万人以上にもなる。その半数以上を占める30万人以上の子どもたちが危険にさらされている。ロヒンギャがミャンマー国内で差別される理由として、不法移民扱い・宗教の違い・肌の色、顔の作り、言語の問題などがある。


 

引用・参考文献

朝日新聞デジタル:「民族浄化」の声も ロヒンギャ問題をいちから解説 https://www.asahi.com/articles/ASK9S5CR2K9SUEHF001.html (2018年1月14日閲覧)

コトバンク:ロヒンギャ族とは https://kotobank.jp/word/%E3%83%AD%E3%83%92%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A3%E6%97%8F-881868 (2018年1月14日閲覧)

MEDECINS SANS FRONTIERES 国境なき医師団:ロヒンギャ危機に対応拡大中 http://www.msf.or.jp/news/detail/special_3586.html?page=113&code=WEB1801D&utm_medium=cpc&utm_source=yahoo_promotion_ad&utm_campaign=rohingya_2017&utm_term=d (2018年1月14日)

THE PAGE:ロヒンギャ漂流問題 ミャンマー少数民族の対立と迫害の歴史https://thepage.jp/detail/20150603-00000013-wordleaf (2018年1月14日閲覧)

日本ユニセフ協会:ロヒンギャ難民緊急募金 https://www.unicef.or.jp/kinkyu/rohingya/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=rohingya (2018年1月14日閲覧)


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