ワンガリ・マータイ
出典: Jinkawiki
ケニアの前環境副大臣、生物学博士であり、MOTTAINAIキャンペーン提唱者。 ワンガリ・マータイは1940年、ケニアの中部、ニエリの農家に生まれた。6人兄弟で家は決して裕福ではなく、他の多くのアフリカ女性と同じように教育を受けられる環境になかったが、兄が両親を説得して学校に通い、60年に政府留学生に選ばれた。その後、米ピッツバーグ大学で修士号を取得。ドイツ留学を経て、71年にナイロビ大学で生物分析学の博士号を取得。一方でマータイは、祖国の貧困や環境破壊に心を痛め、1977年貧しい女性たちと「グリーンベルト運動」という植林活動を開始。政府の弾圧を受けながらも、運動にはこれまでに延べ10万人が参加し、植えた苗木は4000万本に上る。マータイは、2002年に国会議員に初当選。03年には環境副大臣に任命された。 04年、環境や人権に対する長年の貢献が評価され、環境分野で初めて、アフリカの女性としても初めて、ノーベル平和賞を受賞した。 ケニアの環境活動家、ワンガリ・マータイが環境保護と住民の生活向上を目的に、1977年から非政府組織(NPO)として始めた運動。 グリーンベルト運動 先進国のみならず途上国においても、年々進行する地球温暖化や開発による森林破壊に対する環境保護運動は、身の周りの森林や土壌を守る力として広がっている。マータイの始めたグリーンベルト運動はそのなかでも先駆的なもので、ケニアにおける森林破壊による砂漠化を防止するための植林に、貧困に苦しんでいる女性を動員した。最初は7本の木を植えることから始まったこの運動は、現在までに3000万本もの木を植えている。植林活動に貧困の女性を動員するなかで、彼女たちに資金や技術、教育、家族計画の知識を提供し、女性たちが何のために生きるのかを考えるきっかけを与えた。 この運動はケニア国内にとどまらず、タンザニアやウガンダなど約20か国にも広まっている。 この運動によって、2004年、マータイはノーベル平和賞受賞。ノーベル賞委員会はノーベル賞100周年の01年、従来の紛争解決や人権保護への貢献にとどまらず、平和賞の対象分野を広げる考えを表明。環境分野において草の根の植林運動を育てた彼女の功績を評価した。 そんなマータイが、2005年の来日の際に深く感銘を受けたのが、「もったいない」という日本語だった。 環境 3R + Respect = もったいない Reduce (ゴミ削減)、Reuse (再利用)、Recycle (再資源化)という環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対するRespect (尊敬の念)が込められている言葉、「もったいない」の精神である。 現在、マータイは世界各地で「もったいない」の素晴らしさを紹介しながら、限りある資源の有効活用と地球環境の保護を訴える「MOTTAINAI(もったいない)キャンペーン」を推進している。
参考文献
・MOTTAINAI Home http://mottainai.info/about/
・MOTTAINAI EC.jp http://www.mottainai-ec.jp/mottainai.html
・独学ノート http://note.masm.jp/%A5%B0%A5%EA%A1%BC%A5%F3%A5%D9%A5%EB%A5%C8%B1%BF%C6%B0/