ワークシェアリング 2
出典: Jinkawiki
ワークシェアリングとは
仕事の分かち合いのことであり、オランダ国民にとっては、失業率対策から大きく踏み出した、多様な働き方、多様な雇用システムの代名詞である。労働者1人あたりの労働時間(仕事量)を減らすことで、企業全体の仕事の総量を小分けにして分配し直し、より多くの労働者で仕事を分かち合うといった形態で成り立っている。もとは失業者発生の回避、雇用機会の創出・拡大が目的とされていたが、短時間労働の制度化を通じた就業形態の多様化を目指す政策として注目されている。
ワークシェアリングの方法
方法としては大きく3つに分けられる。就労時間短縮、早期退職制度、パートタイム労働の導入である。これらはどれも1人の従業員の就労時間を短縮することによって、他の人を追加で雇う機会を増やそうとするものである。オランダではこの3つが同時並行的に進行した。週当たりの就労時間はだいたい38時間程度であり、正式な定年(65歳)よりも早い59歳で退職し、早く年金をもらうのが普通である。 なかでも、パートタイム労働はオランダの最も誇る制度である。パートタイムもフルタイムと同じように、正社員として扱われる。そのため、休暇やボーナスなどの特典も全て働く時間に応じ、平等に与えられる。これは家庭を持つ女性には最高の職場である。
ワークシェアリングの歴史
ワークシェアリングは、高失業率に悩んでいた1980年代の欧州で導入が進められた。フランスでは1982年以来、政府が主導して法定労働時間の短縮を推進し、ドイツでは産業別の労使間協約交渉によるワークシェアリングが展開された。オランダでは1982年に政労使間でワッセーナ合意が成立し、ワークシェアリングへの試みが始まった。当初はあまり進展はなかったが、同一職務同一賃金の原則を徹底した結果、正規の短時間労働が拡大して就業形態は多様化し、失業率の低下に至った。こうした政策を、「オランダモデル」と呼ぶようになった。
〈参考文献〉
根本孝 著 『オランダに学ぶワークシェアリング』 2002年 株式ビジネス社
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/worksharing.html
http://pws.prserv.net/shino/masato/work/kyoto.htm