ワークシェアリング5

出典: Jinkawiki

目次

ワークシェアリングとは

労働時間の短縮などにより、より多くの人で仕事の総量を分け合うことをいう。1つの仕事を大人数で分割して行うことで、1人あたりの労働時間が短縮され、多くの人で仕事を分け合うことができる。高齢者の雇用対策や、不況時の労働対策などで注目された方法だ。従業員の勤務形態の多様化へ向けて利用される場合もある。EU圏の一部で実験的に導入され、特にオランダでは大きな実績を上げている。パートタイムを中心とし、それぞれの生活に応じて短時間に集中して働き、残った時間をじっくり自分のため、また家族と味わおうという生活を目指すこともできる。アメリカ、イギリス等ではワークライフバランスとして取り上げられたり、イタリアではスローフード、スローライフの一環としても注目されている。

ワークシェアリングの問題点

1つの仕事を複数で引き継ぐ場合は、仕事の連続性が中断することで生産性・効率性が犠牲となり、企業の競争力を落としかねない。また、ワークシェアリングはどのような場合にも適用できるわけではない。適用できる職種は限られている。

オランダのワークシェアリング

オランダでは、パートタイム労働者の比率が41.2%と、ヨーロッパの中でも格段に高い(厚生労働省「世界の厚生労働」(2004年))。これは、ワークシェアリングを積極的に進めてきたことによるもので、オランダが長期の経済停滞から抜け出すことができた大きな要因であると言われている。オランダの人は、子育ても自分たちでできない、一家の団欒も、夫婦での会話も減り、すれ違い夫婦となってしまうのを嫌い、夫婦がフルタイム働くという選択を好まない。すなわち夫婦どちらかがフルタイムで1.0働けば、一方は0.5働く、あるいは夫婦それぞれが0.75ずつ働いて、2人合わせて1.5人分働くのが理想であり、モデルとした。そしてパートタイムを中心とするワークシェアリングが拡充した。日本のパートタイムのイメージとは違い、オランダのパートタイムは時間あたりの賃金は正社員と同額、社会保険や、育児や介護休暇も同一の条件で付与される。単に労働時間が短いだけの正社員なのである。フルタイムからパートタイムへ、またその逆も転換したい場合は申請すれば可能だ。ワークシェアリングは、オランダ国民にとっては、失業対策から大きく踏み出した、多様な働き方、多様な雇用システムの代名詞として理解されているのである。

参考

作成者S


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