万年時計
出典: Jinkawiki
万年時計
万年時計は江戸時代に日本の時計職人田中久重が作り出した時計で高さ53cm,6個の文字盤をもち,第1文字盤に動力ぜんまいを取りはずしたスイス製懐中時計をはめ込んで,そのレバー脱進機を全体の脱進装置とし,この伝達装置から分岐した歯車機構で他の文字盤を動かす。動力は黄銅製ぜんまいであり、第2以下の文字盤は,和式時刻,七曜,二十四節気,月齢,十干十二支などを示す。工芸品としてもすぐれた当時最高の天文時計である。万年時計の仕組みは非常に複雑でであり、当時日本の時刻は昼夜の長さに応じて時刻が変化する不定時法だった。季節によって昼夜の長さが変化するため、正確にその時刻を表す時計を作ることは非常に困難だったとされている。 万年時計は、虫歯車という往復回転運動をする独自の歯車を用いて実現していますが、この機構は世界中どこにも使われていませんでした。また、時刻と七曜を表示する盤は、時刻と曜日の変わり目に針がステップ状に動くようになっており、打鐘機構の一部でもある。 月の満ち欠けは、黒と銀色に塗り分けた球体の回転で表されており、際に月の状態が見えるようになっています。一方、洋時計に関する知識や技術は当時の日本では不十分だったため、フランス製と考えられている懐中時計がはめ込まれている。 これらの複数の機構をゼンマイで連動して動かすように設計し、簡単な操作で一年間、複数の動きが見られるようになっている。 また、製作者の田中久重は今の東芝のもととなる会社を作った人物でもある。
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