万歳(政治分野)
出典: Jinkawiki
万歳(バンザイ、バンゼイ)とは、喜びや祝いの気持ちをこめて言うことばのことである。万歳をするときの動作は、「万歳」の語を発しつつ、両腕を上方に向けて伸ばすのが作法である。(ここでは政治分野に限る)全ての人ではないが、政治家が自身の当選のとき、衆議院の解散のときなどに良く使われる。
万歳のなりたち
万歳という言葉は、元々中国で使用される言葉にある「千秋万歳」の後半を取ったものだといわれている。「万歳」とは一万年で皇帝の寿命をさす言葉であって、皇帝以外には使わない。日本で「万歳(バンザイ)」を使い始めたのは、1889年(明治22)2月11日の大日本帝国憲法発布の日だといわれている。当時、青山練兵場で行われる臨時観兵式に向かう明治天皇の馬車に向かって万歳三唱したのをきっかけに使われ始めたという。
万歳と日本の政治家
1)衆議院解散のとき
衆議院解散のときに議長から詔書が読み上げられ、解散が宣言されたその瞬間、多くの議員たちが「万歳!」と三唱するのが慣例となっているようだ。なぜこのようなことをするかは不明なのだが、3つの説があるといわれている。
・失職したその後に衆議院議員選挙が行われることによる意気込みと自分への励ましとしての「万歳」
・自身が失職してもう二度と国会には戻れないかもしれないという不安から出るヤケくそとしての「万歳」
・国事行為として衆議院を解散する天皇陛下に対する敬意としての「万歳」 (これに関しては、戦前の衆議院が天皇のに詔勅よって解散したので、天皇に敬意を表す為に行われていたといわれている)。
このようにさまざまな説があるものの、なぜ、衆議院解散のときに「万歳」するのかは未だに不明である。(なお、現在は世代交代によって以前より万歳をする議員が減っている)
2)政治家として議員に(その他首長など)当選したとき 各々の選挙で議員に(その他首長など)当選したとき、多くの人々が万歳三唱をしている光景がうかがえる。なぜ、そのようなことをするのかは未だに不明だが、ある説によると、選挙戦に見事勝利した喜びに加え、当選して議員になれば、何かない限り失職する恐れはない職業の安定性への敬意(当選=ゴール)なのではないかという説がある。
政治家が用いる「万歳」に対する批判
これに関してはいくつもの批判がある。例を挙げれば・・・
・当選者は支持者と一緒にバンザイをするのではなく、バンザイをされている時は支持者への感謝の気持ちとしておじぎをするものではないか。
・いっせいにバンザイするのは軍国主義をイメージさせる。
・当選した途端、ふんぞり返っているようで気分が悪い。
ほかにもいくつもの批判が回っていることは事実である。
参考資料
池上彰(2000) 「これが週刊子どもニュースだ」 集英社文庫
三省堂「大辞林」