三国干渉

出典: Jinkawiki

概要

日清戦争の講和条約、1985年下関条約で、日本は遼東半島・台湾・澎湖諸島を領有したが、アジアの小国日本の急成長を警戒したロシア・フランス・ドイツによる三国干渉によって、軍事拠点である遼東半島は返還せざるを得なかった。


経緯 

南下政策を取り密かに華北地方などを狙っていたロシアが、日本が中国に進出するのを好ましく思っていないフランスとドイツを仲間に、遼東半島を中学に返還するように迫ってきた


露仏独三国の遼東半島遷付勧告

○露国(ロシア帝国)行使よりの勧告覚書

 露国皇帝陛下の政府は日本より清国に向かって求めたる講和条件を査閲するに、その要求に係る遼東半島を日本にて所有することは、常に清国の都を危うするのみならず之と同時に朝鮮国の独立を有名無実となすものにして、右は将来長く極東永久の平和に対し障害を与うるものと認む。  随って露国政府は日本国皇帝陛下の政府に向かって重ねてその誠実なる友誼を表せんが為、茲(ここ)に日本国政府に勧告するに遼東半島を確然領有することを放棄すべきことを以ってす。

○仏国政府よりの勧告

 仏蘭西(フランス)共和国政府の意見にては、遼東半島を領有することは清国の都を危うし朝鮮国の独立を有名無実に帰せしめ、且つ永く極東の平和に対し障害を与うるものなりとす。  仏蘭西共和国政府は重ねて茲に日本国政府に対する友情を彰表せんと欲するが故に、帝国政府に向かって該半島を確然所有することを放棄ありたく旨友誼上の勧告を与うる事は仏国政府の義務なりと思考す。

○独国行使よりの勧告

 本国政府の訓令に従って左の宣言を致します。  独国政府が日清講和の条件を見れば貴国より請求したる遼東の所有は、清国の都府をして何時迄も不安全の位置に置き且つ朝鮮国の独立をも水泡に属させ、よって東洋平和の永続の妨げになることであると認めなければなりませぬ。それゆえに貴国政府が遼東の永久なる所有を断念なさるように本政府が御勧告致します。  此の宣言に付きまして次のことを申し上げるように云い付けられました。現今日清事件の最初より本国政府が貴国に対してその懇親なる心の証拠を顕わしたる、唯一度の事でないと存じて居ります。ご承知の通りに昨年10月7日にも英国政府が欧州各国に日清事件に干渉することを申し込んだが、其の節独逸国が日本国に対しての懇篤に依って干渉を断りました。それから、また当年3月8日を以って本行使が本国政府の命令に従って、貴国政府が夥多の請求を為さらないでなるべく早く講和を結ぶ様に御勧告致しました。其の時に申し上げましたのは欧州の諸国が清国の願いに応じて干渉致すかも計られませぬと云うことに依って、日本国は若し夥多の請求をせずして早速講和条約を締結なさるのなら却って其の方が利益があるだろうと云う事でございました。それに続いて日本国若し大陸の土地の譲渡を要求すれば、之は最も干渉を惹起すべき要求であるだろうと申述しましても、貴国では此の利己心なき勧告に応じませんでございました。  現在の日清講和の条件は全く度に過ぎて欧州諸国の利益上にと、並びに譬(たと)え幾分かは少なしと雖も又独逸国の利益上にも害があると認めます。それゆえに現今は本国皇帝陛下の政府も供に抗議を提出しなければなりませぬ。且つ必要がある場合には其の抗議をして有効にならしめることもありましょう。三国に対する戦いは所詮日本国に望みの無いことであるが故に、貴国此事件に付きましては譲ることが出来ないことはなかろうと存して居ります。尚日本国政府が名誉を失う事無くして今の地位より退くことの途(みち)を講ずるために、「コンフレエンス(英語のconference〈会議〉に当たる言葉であろう)」を開く等の事を望まるれば、その旨を電報にて本国政府へ送れという内訓をも受けて居ります。



参考文献

「図解雑学 日本の歴史」前澤桃子著 ナツメ社 2001年

http://www.tetsureki.com/home/library/shiryoukan/sangoku.html


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