世界人権宣言1

出典: Jinkawiki

世界人権宣言は、すべての人間が生まれながらに基本的人権を持っているということを、 初めて公式に認めた宣言である。 1948年12月10日、フランス・パリで開かれた第3回の国際連合総会で、「あらゆる人と国が達成しなければならない共通の基準」として採択された。 この宣言の中には、「自由権」と「社会権」がともにうたわれている。「自由権」は、身体の自由、拷問・奴隷の禁止、思想や表現の自由、参政権など、「社会権」は、教育を受ける権利や労働者が団結する権利、人間らしい生活をする権利などがふくまれている。しかし、世界人権宣言には問題点もある。第28条に「権利と自由が守られる社会秩序や国際秩序」を得る権利がすべての人にあるという。だが、この権利ほど実現が難しいものはないかもしれない。日本の経験もそのことを証明しており、戦前の日本にも、人権獲得に向けての動きはあったが、結局失敗し、超国家主義に進んでいった。戦後、新憲法の下で権利と自由を守るための最低限の制度を得て、さらに土地改革や財閥解体により権力の集中を廃すことにより、なんとか人権実現への歩みを始めることができた。しかし、残念ながら、戦後の人権の進展は、日本社会の自らの力だけで生み出されたものでも、自然の歴史発展の流れの中で生み出されたものでもない。世界の多くの国も同様の状況にある。だからこそ、人権は、国際協力を通じて実現していくことが、人権の尊重になるのではないのだろうか。


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