中小企業問題
出典: Jinkawiki
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二重構造
一国の経済において、前近代的分野と近代的分野が、相互に補完的な関係をもちながら並存している状態。わが国では、少数の近代的大企業が存在する一方で、多数の前近代的な中小企業・農業が存在し、両者の間にさまざまな格差や支配・従属関係がみられることをさしていう。
中小企業
資本金・従業員数・生産額などが中位以下の企業。中小企業基本法(1990年改正)では、(1)製造業などは資本金3億円以下、または従業員数が300人以下の企業、(2)卸売業では資本金1億円以下、または従業員数が100人以下の企業、(3)サービス業では資本金5,000万円以下、または従業員数が100人以下の企業、(4)小売業では資本金5,000万円以下、または従業員数が50人以下の企業と定めている。
零細企業 中小企業の中でも、特に小規模なもの。資本金・従業員数が少なく家族的経営が多く、生産性も低い。
中小企業が直面する問題点 需要の停滞 資金調達環境の悪化 人材の確保・育成及び後継者不足
資本装備率
労働者一人あたりの資本設備(有形固定資産)額のこと。大企業では、生産能力の高い生産施設が設置され、資本装備率が高いのに対し、中小企業では労働力を多用する生産方法が多く、資本装備率が低い。このため、生産性に格差ができる。
下請け
他の企業から仕事を請け負ったり、他の企業が請け負った仕事の全部または一部をさらに請け負うこと。一般には、大企業の注文を受けて、大企業の製品の部品や生産工程の一部を中小企業が請け負うことをいう。
系列化
企業が生産・流通・販売を通じて密接に結合すること。大企業同士の横断的結合と大企業と中小企業との垂直的結合の二種類があるが、一般には後者をさし、そこに組み込まれた中小企業を系列企業という。融資・原材料購入・技術提供・商品売買・役員派遣など、さまざまな形で系列関係が結ばれる。
中小企業基本法
1963(昭和38)年制定。中小企業の振興・保護を目的に、中小企業政策全体を体系化した法律。中小企業の設備の近代化促進、技術の向上、経営管理の合理化、下請け取引などにおける不利益の是正などを内容とする。1973(昭和48)年。99(平成11)年に改定された。
関連法令 中小企業支援法、中小企業等協同組合法、小規模企業共済法、下請け中小企業振興法、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律など
中小企業金融公庫
1953(昭和28)年設立。中小企業の合理化・近代化に必要な大口かつ長期低利資金の貸付を目的とする政府系金融機関。貸付資金は財政投融資によってまかなわれている。
ベンチャー=ビジネス
新技術や高度な知識を軸に創造的・冒険的な経営を展開している知識集約的な中小企業。エレクトロニクス、情報産業、コンサルティングなどの分野を中心に誕生しており、近年は流通・サービス部門にも拡大している。
参考URL・参考文献
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h13/html/13211200.htm
政治・経済教育研究会編 「政治・経済用語集」 2004 山川出版社
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