京都議定書27
出典: Jinkawiki
概要
京都議定書とは、「国連気候変動枠組み条約」の目標や原則を踏まえ、削減目標や達成期限を定めた法的拘束力のある国際協定のことである。1997年12月に京都で開いた国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で合意した125カ国・地域が批准し、2005年2月16日に発効した。
内容
国連気候変動枠組み条約自体は1994年に発効されており、先進国は温暖化ガス排出量を2000年までに1990年の水準まで戻すように合意していたが、当時の条約は法的拘束力がなかったため、温暖化ガスの排出量は増大した。この状況を改善するために作られた今回の京都議定書は、先進国は第一約束期間(2008年から2011年)の間に、基準年比で温暖化ガス排出量の削減を目指すことを義務付けている。対象となる温暖化ガスは、二酸化炭素、メタン、N2O、六フッ化硫黄(SF6)、ハイドロフルオロカーボン類(HFC)、パーフルオロカーボン類(PFC)の6種類である。基準年は、二酸化炭素、メタン、N2Oの3種類が1990年で、残りの3種類が1990年ないしは1995年である。国別の数値目標は、日本が6%、EU8%、スイス8%、ハンガリー5%などで、全体で⒌2%とした。
京都メカニズムの措置
・排出枠(割当量)が設定された先進国間で排出割当量の一部を取引できる国際排出量取引
・先進国による技術や資金の提供で途上国の持続可能な開発を支援しながら、排出量削減事業を実施する。そこで生じた排出削減量(CER)を先進国の目標達成に算入するクリーン開発メカニズム(CDM)
・先進国が共同で排出削減事業を実施する。そこで生じた排出削減単位(ERU)を関係国間で移転して目標達成に算入する共同実施(JI)
一方で、インドや中国などの発展途上国には温暖化ガスの削減義務がなく、京都議定書の有効性を疑問視する声も挙がっている。
参考文献 石井孝明著 『京都議定書は実現できるのか』 (2004年・平凡社新書)