人口減少社会
出典: Jinkawiki
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将来人口推計
2005年の国勢調査では、日本の総人口は1億2777万人だった。「日本の将来推計人口」の結果では、2050年には9515万人、また2055年には8993万人にまで減少すると計算されている。すなわち、2005年から2055年までの50年間で3784万人もの人口減少といえる。それに伴い高齢化がすすみ、0~14歳の年少人口が50年間でおよそ1000万人減少する一方、65歳以上の高齢人口が1000人増加し、人口全体ではほぼ相殺される。その一方、15歳~64歳の生産年齢人口は3847万人減少となり、50年間の人口総数の減少(3784万人)とほぼ同数の減少幅となる。つまり、人口減少の大部分は生産年齢人口であり、また、年少人口の減少をちょうど高齢人口の増加が埋めると考えられる。
世界の人口の推移
1950年の世界の人口は25億2000万人だった。これが急速に増加し、2005年では64億7000万人であると推計されている。そして、2050年には90億8000万人に達すると計算されている。そこで、現在と2050年の地域別人口を予測してみると、現在ではアジアの人口は39億人だったのが、2050年には52億人にまで増加する。アフリカも9億人から19億人まで急増する。その一方で、ヨーロッパの人口は7億3000万人から6億5000万人に減少することになる。先進地域と発展途上地域別にみると、現在の人口はそれぞれ12億人、53億人だが、2050年では12億人、78億人と見込まれている。すなわち、今後50年間の世界人口の増加はほとんどが発展途上地域の人口増加によるものであるとわかる。
世界の人口ランキングもインドが中国を抜き1位となり、中国、アメリカがつづき、ブラジルやアフリカ諸国がランキングに入ってくると予測されている。
解決策
人口減少により、少子高齢化問題だけではなく、大学全入時代、消費需要の縮小、世帯の構造の変化など、多くの問題が出てくる。そこで重要になってくるのは、女性が働きやすい社会をつくる男女共同企画社会の考えである。
1999年に男女共同企画社会基本法が施行され、その基本的な理念としては、①男女の人権の尊重、②社会における制度又は慣行についての配慮、③政策等の立案および決定への共同参画、④家庭生活における活動と他の活動の両立、⑤国際的協調、というものである。日本における女性の立場からみると社会進出の状況は欧米と比べ低いといえる。その理由としては、女性の就労環境が整っていないために、一身に育児や介護などの負担を背負うことや、固定的性別役割分担意識が根強いことなどが考えられる。
人口減少社会では労働力の担い手が不足する事態を招くが、それは同時に新たな活躍の場を女性に提供することにもつながるといえる。男女共同企画の推進は、人口減少時代にあっては不可欠なものである。
参考文献
『人口減少社会の基本と仕組みがよ~くわかる本』 加藤久和 秀和システム 2007年