人工知能
出典: Jinkawiki
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概要
AIとはアーティフィシャル・インテリジェンスの略称で、日本では「人工知能」と訳されることが多い。コンピューター技術を駆使して作り出された人間の脳に近い機能という意味である。
人工知能の歴史
Ⅰ 1950年代後半~1960年代 第一次人工知能ブーム コンピューターの発展に伴い推論や探索が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになった。冷戦下のアメリカでは、言語処理による機械での翻訳が特に注力された。しかし、当時の人工知能では、単純な仮説の問題を扱うことはできても、複雑な要因が絡み合った現実社会の課題を解くことはできなかった。
Ⅱ 1980年代 第二次人工知能ブーム コンピューターが推論するために必要な様々な情報を、コンピューターが認識できる形で記述した「知識」を与えることで人工知能が実用可能な水準に達するようになった。日本では、政府による「第五世代コンピュータ」と名付けられたプロジェクトが推進された。しかし、当時はコンピューターが必要な情報を自ら収集して蓄積することはできなかったため、必要となる情報を人がコンピューターにとって理解可能なように内容を記述する必要があった。世の中にあるすべての情報を、コンピューターが理解できるように記述することは困難なため、実際にコンピューターに蓄積させる知識は特定の領域の情報などに限定する必要があった。
Ⅲ 2000年代から現在まで 第三次人工知能ブーム 現在「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いて人工知能自身が知識を獲得する機械学習が実用化された。次いで知識を定義する要素を人工知能が自ら習得するディープラーニングが登場した。
人工知能の動向
人工知能はIT企業を中心に研究が加速しており、Google社やIBM社を筆頭にMicrosoft社、Amazon社などが投資を行っている。とくに、Google社は次世代のIT社会でベースとなる人工知能の研究が進んでいる。2013年4月には、人工知能研究の世界的な権威者を研究チームに入れ、人工知能研究を進めている。Google社では自然言語に関する研究を進め、コンピューターに言語の意味を理解させることで、人間の質問にも対応できるようにしている。
人工知能の活用
Ⅰ報道 AP通信では、データ分析や自然言語生成を使用した記事の自動作成を行っている。記事の作成を行っている人工知能は3ヶ月で3000の記事を作成している。初めは人間の手による編集が必要とされていたが、現在ではほとんど自動化され、ミスもほとんどない。人工知能により、1秒間に2000の記事を書くことができ、ロボットジャーナリストによって節約された時間はより質の高い報道につながると言われている。
Ⅱ小売り 運送 人工知能を使ったロボットやドローンの実用化が進み、様々な場面で使われている。ドローンは複数のローターがついた小型ヘリのようなもので、シンプルな人工知能が搭載されていることが多い。Amazon社ではドローンを用いた配送サービスの計画を進めており、FAAからの飛行許可を得て実権を行っている。将来的にはドローンを用いた配送サービスの展開が進むことが期待されている。
参考
総務省 平成28年版 情報通信白書 人工知能(AI)研究の歴史 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc142120.html AIが神になる日 松本徹三(2017) SBクリエイティブ株式会社