人種差別撤廃条約
出典: Jinkawiki
1.内容
正式名称は「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」である。人権及び基本的自由の平等を確保するため、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策等を、すべての適当な方法により遅滞なくとることなどを主な内容とした。1960年頃にヨーロッパでおきた反ユダヤ主義を煽る事件の頻発を契機に、国連人権委員会が起草、 1965年の第20回国連総会において採択され、1969年に発効された。日本は1995年に加入した。 「人種、皮膚の色、血統または民族的・部族的出身」による差別を対象としており、あらゆる人種差別を根絶するため、当事国に対して、必要とされる措置を義務付けている。 また、この条約の実施確保のために、国連内の監督機関として「人種差別撤廃委員会」が設置されている。 現在の締約国は169ヶ国となっている。日本は、1995年にようやく、この条約の146番目の締約国となった。
2.条約の対象とする人種差別
この条約の対象とする人種差別については、この条約の第1条1において、「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」と定義されている。 この規定において差別事由とされている「人種」、「皮膚の色」、「世系」及び「民族的若しくは種族的出身」については、必ずしも相互に排他的なものではない。この条約の適用上、「人種」とは、社会通念上、皮膚の色、髪の形状等身体の生物学的諸特徴を共有するとされている人々の集団を指し、「皮膚の色」とは、このような生物学的諸特徴のうち、最も代表的なものを掲げたものと考えられる。また、「民族的若しくは種族的出身」とは、いずれも、言語、宗教、慣習等文化的諸特徴を共有するとされている人々の集団の出身であることを指すものである。更に、「世系」とは、この条約の適用上、人種、民族からみた系統を表す言葉であり、例えば、日系、黒人系といったように、過去の世代における人種又は皮膚の色及び過去の世代における民族的又は種族的出身に着目した概念であり、生物学的・文化的諸特徴に係る範疇を超えないものである。
参考文献
外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
http://pol.cside4.jp/gaikou/38.html
(投稿者AK)