人種差別8
出典: Jinkawiki
人種差別とは
人種の相違を理由に加えられる,政治・経済・社会的差別。差別する側の,政治的経済的優位性を維持したいという欲望と,社会的,歴史的な人種的偏見による。その歴史は古いが,近年の典型的な例としては,ナチスのユダヤ人迫害、アメリカ合衆国の黒人問題、南アフリカ共和国のアパルトヘイトなどがあげられる。第2次世界大戦後、民族意識の高まりとともに数多くの非白人国家が成立し、南アフリカやローデシア問題にみられるように、人種差別問題は国際政治においても大きな比重を占めるようになった。国連総会は 1963年に人種差別撤廃宣言を、1965年には人種差別撤廃条約を採択している。さらに 1972年11月には、世界人権宣言 25周年の 1973年12月10日を起点とする 10年間を「人種差別反対の10年」とすることを可決した。南アフリカは 1989年から急速な改革を推進し、1991年人種登録法などを撤廃、アパルトヘイト体制を終わらせた。
ユダヤ人差別
ユダヤ人が国を失い離散の民族となり、世界の各地に散り散りになりそれにもかかわらず、民族として消滅せず、他の民族に同化されることもなく今日までユダヤ民族としての統一を維持することができた。それは彼らが奉じたユダヤ教の特色による点が多い。ユダヤ教は離散の民としてのユダヤ人を統一させる要であった彼らは政治によらず、宗教を基礎として民族統一を成し遂げたのである。しかし、それと同時に、ユダヤ教信仰への固執、それに基づく独特の文化生活習慣によって、ユダヤ人は、異色の異端の集団として多宗教とくにキリストの信徒や他民族の社会の中で「よそもの」として、また、「敵」として排除・隔離・差別されることになった。
参考文献
日本の差別世界の差別 差別の比較社会論 村田恭雄 明石書店
人種主義の深い淵 デリック・ベル 中村輝子 朝日選書