係留効果
出典: Jinkawiki
知覚判断において、1個150円のりんごのような値とはかけ離れた1個50円や600円のりんごといった刺激を挿入すると、その刺激に対しては直接判断していないにも関わらず、刺激系列に対して影響が及ぶことがある。このとき、このような効果を“係留効果”といい、1個150円のりんごのような値を系列刺激、挿入された刺激を係留刺激という。係留効果には特定の刺激値との関係で生じるものや、態度や教示と関係したものなどさまざまなものがある。
1.係留効果の実験
・Helson(1964)の重さの知覚判断に関する係留効果の実験 90gもしくは900gの重さの係留刺激を持った後に、系列刺激(200g、250g、300g、350g、400g)の重さを持ち、それぞれ「とてもとても重い」から「とてもとても軽い」までの9段階で判断してもらうという実験である。結果として、係留刺激が90gのときは係留刺激がないときと比較して重いと判断される傾向にあり、係留刺激が900gのときは係留刺激がないときと比較して軽いと判断される傾向にあった。