光ファイバー

出典: Jinkawiki

光を用いて情報を伝達する際に、電気信号を光に変えて情報を伝達するケーブル(グラス-ファイバー)のこと。透過率が非常に高い石英ガラスやプラスチックなどの材料でできた細い繊維である。その繊維は太さ0.1~0.2mmほどと極めて細く、細い透明なファイバーの中に光を通し、情報あるいはエネルギーを伝えている。光の屈折や透明度の点から、原材料にはガラスが使われてきたが、最近ではコストがガラス製だと高く壊れやすいため、プラスチック製のものの開発が進んできている。光通信、光の干渉を応用した光応用計測、照明、医療用内視鏡、レーザー・メスなどに広く利用されている。



目次

歴史

光ファイバーの原理はかなり古くから知られていた。1927年には多数のファイバーを束ねたバンドルファイバー(ファイバーオプティクスともいう)を用いて光学像を伝送するアイデアが出され,1950年代に入ってこれが医療用として人体内部の観察に用いられるようになった。 1966年にはイギリスのスタンダード・テレコミュニケーション・ラボラトリーズ社が通信用の細いガラス繊維による光ファイバーを開発した。


種類

主に光ファイバーには2種類ある。

1)マルチモード

マルチモードは光源にLED(発光ダイオード)を使い、ファイバーの原料には取り扱いが安易なプラスチックが使われている。ケーブルや機器が比較的安価であるが、一定以上の距離では光源の波長や波形が揃わずに信号が安定しないので、長距離の伝送には利用することができない。

2)シングルモード

シングルモードは光源に半導体レーザーを用い、ファイバーの材料には長距離の高速データ通信に向く石英ガラスが使われている。光源のレーザー光は波形が揃い、直進性も高いため、マルチモードのケーブルと比べて長い距離の伝送が可能である。


特徴

最大の特徴は、データ伝送速度の速さ、一度に伝送できるデータ量の大きさである。電磁波の影響を受けず、大容量のデータを長距離伝送することができる。正確な情報を遠方まで大量に送信することも可能である。また、「ファイバーの素材には透明なガラス線、またはプラスチックが使われているので、一般的なケーブルに使われている銅線(メタルケーブル)に比べて電気障害(ノイズ)に影響されにくく、光をスムーズに通す構造で、高速大容量の転送速度をもち、長距離になっても信号が減衰しにくい。断面は円形で、屈折率が高い中心部(コア)と、それを同心円状に取り巻く屈折率の低いクラッドとから成る。光はコアとクラッドの境界で全反射を繰り返しつつ、コアの中を伝搬する。コアの屈折率をクラッドより高くすることで、光信号を減衰させることなく送ることができる。(=光通信) さらに、材料の石英系光ファイバーにエルビウムを添加したエルビウム添加光ファイバーは、光通信における光増幅器として重要な役割を持つ。損失がもっとも低く伝送特性も優れているのが石英光ファイバーであることから、これは光通信用として広く使われている。


参考資料

コトバンク [1]


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