公害関係法令

出典: Jinkawiki

目次

概要

地球環境や人間の健康状態に被害を及ぼす公害問題。産業革命がおき機械化が進むにつれて大気汚染や水質汚染、土壌汚染などの公害問題が現れた。これらの汚染は川や海、土の中の生物の生態系を崩す要因やそれらを食べるわれわれ人間にも被害を与える。そういった公害問題に対応するために世界の国々は公害問題に関係する法律を数多く制定してきた。

わが国の公害問題の始まりは、明治11年、足尾銅山の開発で発生した鉱山排水による渡良瀬川の汚染事件である。この事件はわが国の「公害の原点」ともいわれ、当時、社会的に大きな問題となりながらも、積極的な対策が講じられることなく戦後も昭和30年代後半まで続いた。その間、有名な4大公害事件としての熊本水俣病、阿賀野川水銀中毒、イタイイタイ病、四日市喘息が次々と発生した。

歴史

1956 「工業用水法」制定

1958 「下水道法」制定  

1958 「水質保全法」制定  

1960 四日市ぜんそく多発  

1962 「ばい煙排出規制法」制定  

1967 四日市ぜんそく患者訴訟提起  

1968 イタイイタイ病患者訴訟提起  

1968 「大気汚染防止法」制定

1968 「公害対策基本法」制定  

1968 「騒音規制法」制定

1970 「水質汚濁防止法」制定

1970 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」制定  

1970 「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」制定

1971 環境庁発足  

1971 「悪臭防止法」制定

1972 「自然環境保護法」制定  

1976 「振動規制法」制定

1985 「ウィーン条約」(オゾン層保護)採択  

1987 「モントリオール議定書」(オゾン層破壊物質削減)採択  

1988 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)設置  

1988 「特定物質の規制等によるオゾン層保護に関する法律」制定  

1990 「地球温暖化防止行動計画」閣議決定  

1991 「資源リサイクル法」制定  

1992 国連環境開発会議(地球サミット)開催  

1993 「環境基本法」制定  

1997 COP3開催(「京都議定書」採択)  

1997 経団連「環境自主行動計画」策定  

1997 「環境影響評価法」制定  

1999 「ダイオキシン類対策特別措置法」制定  

1999 「PRTR法」制定  

1999 「循環型社会形成推進基本法」制定  

1999 「廃棄物処理法」改正  

1999 「建設リサイクル法」ほか制定  

2001 環境省発足  

2001 「PCB特別措置法」制定  

2001 「フロン回収破壊法」制定  

2002 持続可能な開発に関する世界首脳会議  

2002 「エネルギー政策基本法」制定  

2002 「土壌汚染対策法」制定

2002 「温暖化対策推進法」改正  

2002 政府が「京都議定書」批准  

2002 「新エネ法(RPS法)」制定  

2006 「アスベスト新法(石綿による健康被害の救済に関する法律)」制定  

2008 「生物多様性基本法」制定  

2009 「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」制定  

2011 「放射性物質汚染対処特措法(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染へ の対処に関する特別措置法)」制定  

2011 「原子力損害賠償支援機構法」制定  

2012 「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」制定

汚染者負担の原則

公害問題が起きるたびに取り上げられる原則である。 公害防除の費用は、すべて汚染の発生源である企業が負担しなければならないという原則で、1972年にOECD環境委員会で採択され、わが国でも受け入れられるようになった。また、企業が排出基準などを守り過失がなくても、公害がおこればその賠償責任を負う無過失責任制度が導入された。


参考

「四大公害病 - 水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害」 (中公新書) 著 政野淳子

「ハンディー版 環境用語辞典 第3版」著 上田豊甫 赤間美文

新版 最新政治・経済資料集2014 第一学習社

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